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ドイツ語圏スイスの情報サイトswissinfo.chが2018年10月08日に掲載した記事を要約したものです。
国連気候報告書作成参加のスイス専門家の考察 2018-10-08
国連の気候専門家は地球の気温上昇を工業化前の1.5度に抑えることはまだ可能だが、それには2050年までに二酸化炭素バランスをゼロにすることが絶対条件だとする報告書を発表したが、スイスの二人の専門家はどう受け止めたか?
特別報告書
2400人の調査研究と6000の論文を40か国の91人が分析著述したIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)の国連特別報告書ではこれまでも頻繁に言われていた「もう時間がない」という言葉がさらに差し迫った表現をされている。2015年のいわゆるパリ合意では、気温上昇ははっきりと2度を下回らなければならないとされているが、海面上昇の直接的な影響を受ける島国の要求により最終的な目標は1.5度とされている。34ページからなる最新のIPPC報告書では2度と1.5度では決定的な違いが出るとされている。
報告書の著作に加わったETH連邦工業大学チューリヒの大気気候研究所のSonia Seneviratneは0.5度の追加的気温上昇は世界で熱波と極端な降雨の危険を高めると説明する。さらに世界規模では1.5度の上昇はスイスでは3度の上昇を意味すると話す。1850年以来の世界平均気温上昇は1度で、わずかなものだと見られがちだが、その影響はこの夏の暑さ、カリフォルニアの山火事、旱魃を見ればはっきりしている。
報告書の検閲にあたったETH教授Andreas Fischlinは、気温上昇を1.5度に抑えることは基本的には可能だが、そのためには迅速で根本的な技術的、社会的な変革が必要で、今後10年が成否を分けることになると強調する。この目標を達成するには再生可能エネルギーの利用を現在の25%から2050年には70から85%に引き上げ、石炭の利用を完全に停止する必要がある。更に大気の二酸化炭素吸収能力を高めるためには森林の面積を増やし、二酸化炭素分離技術を発達させなけらばならない。この技術は現在では非常に多くのコストがかかり、大規模な二酸化炭素集積技術がまだできたいないことが問題だとSeneviratneは説明する。
IPCCの報告書が各国の政府にどのように影響するかは未知だが、12月にポーランドのカトーヴィツで開かれる国連の国際気候議会(COP24)に集まる各国政府の環境担当責任者の態度である程度、明らかになる。特に意欲的とは言えない2015年の目標、2度以下を達成する見通しを各国が持っているかどうかは注意して見る必要がある。
IPCC special report   Sonia Seneviratneexterner Link  Fischlin, Andreas  COP24  The CAT Thermometer
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