以下の文は2016年02月12日にドイツのテレビN-TVのウェブサイトに掲載された
記事を直訳したものです。
現代人種の遺伝子の2%はネアンデルタール人起源
ネアンデルタール人の遺伝子は現代人の健康のリスクとなりうるという研究が発表された。 ネアンデルタール人のDNAは現代人種の臨床的な特徴に影響を与えていると研究のリーダーJohn Capraは科学雑誌Scienceに発表された研究で説明する。 それによると、心理、神経、皮膚病は先史人類のDNAに関連する可能性がある。 ネアンデルタール人は更新世(推定 紀元前258万8千年から9660年)に主にヨーロッパとアジア西部に生息しており、アフリカ大陸からやってきた現代人種と共生していたが、3万年前ほどの絶滅したと考えられている。 一般に信じられている理論によると、この時期に現代人種との性的交渉によって混交が起こった。 現在の研究の結果では現代人種のDNAには最大4%のネアンデルタール人起源のものが残っているとされる。 Capraはネアンデルタール人のDNAを28000人のDNAとその病歴とともに比較した。 USAテネシー州のUniversity Vanderbiltの研究者はネアンデルタール人の遺伝的遺産が否定することのできない影響を現代人の健康に与えていることを発見した。 特に、うつ病、心臓麻痺、アレルギーのリスクを高めるとされる。
良い影響もある
しかし、遺伝的遺物は現代人種に不利益だけを齎すものではない。 Max-Planck-Institutマックス・プランク研究所のライプツィッヒの進化人類学は異なった研究結果を発表している。 1月にすでにAmerican Journal of Human Geneticsに掲載された研究ではネアンデルタール人のDNAは現代人の免疫システムを強くして、感染症から守る利点があるとされている。 その理由は、現代人種がヨーロッパとアジア西部に入り込んできた時、ネアンデルタール人はすでに20万年そこに生きており、気候、食料源、病原に適合していたことだと研究チームのJanet Kelsoは説明する。