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Home 東日本大災害関係-衆議院厚生労働委員会 児玉龍彦氏発言部分 2025-02-10更新
衆議院厚生労働委員会より、児玉龍彦氏発言部分 2011年08月27日
このページは衆議院厚生労働委員会での児玉氏発言部分の全文おこしです。 2011年07月30日08時07分 提供:ガジェット通信 (情報提供:東京プレスクラブ)
私は東京大学アイソトープ総合センター長の児玉ですが、3月15日に大変に驚愕いたしました。
私ども東京大学には27か所のアイソトープセンターがあり放射線の防護とその除染などの責任を負っております。
私自身は内科の医者でして東大病院の放射線施設の除染などに、ずっと数十年かかわっております。
3月15日午前9時ごろ東海村で5μシーベルトという線量を経験しまして、それを第10条通報という文科省に直ちに通報いたしました。その後、東京で0.5μシーベルトを超える線量が検出されました。これは一過性に下がりまして、次に3月21日に東京で雨が降り、0.2μシーベルト等の線量が降下し、これが今日に至るまで高い線量の原因になっていると思っています。
それでこの時に枝野官房長官が「さしあたり健康にあまり問題はない」という事をおっしゃいましたが、私はその時にこれは大変な事になると思いました。
何故かというと現行の放射線の障害防止法というのは、高い線量の放射線物質が少しあるものを処理することを前提にしているのです。この時は総量はあまり問題ではなくて、個々の濃度が問題になります。
ところが今回の福島原発の事故というのは、100キロメートル圏で5μシーベルト、200キロメートル圏で0.5μシーベルト、更にそれを超えて足柄から静岡のお茶まで及んでいる事は、今日みなさん全てがご存じの通りであります。
我々が放射線障害を診る時には、総量をみます。それでは東京電力と政府は一体今回の福島原発の総量がどれくらいであるか? はっきりした報告は全くされておりません。
そこで私どもはアイソトープセンターのいろいろな知識を基に計算してみますとまず、熱量からの計算では、広島原爆の29.6個分に相当するものが漏出しております。 ウラン換算では20個分の物が漏出していると換算されます。
更に恐るべきことには、これまでの知見で原爆による放射線の残存量と原発から放出された物の放射線の残存量は、一年に至って原爆が1000分の1程度に低下するのに対して原発からの放射線汚染物は10分の1程度にしかならない。
つまり今回の福島原発の問題は、チェルノブイリと同様、原爆数十個分に相当する量と原爆汚染よりもずっと多量の残存物を放出したという事が、まず考える前提になります。
そうしますと、我々システム生物学というシステム論的に物を見るやり方でやっているんですが現行の総量が少ない場合には、ある人にかかる濃度だけを見ればいいです。
しかしながら、総量が非常に膨大にありますと、これは粒子です。粒子の拡散は、非線形という科学になりまして、我々の流体力学の計算でも最も難しいことになりますが、核燃料というのは要するに砂粒みたいなものが合成樹脂みたいな物の中に埋め込まれています。これがメルトダウンして放出するとなると細かい粒子が沢山放出されるようになります。 そうしたものが出てまいりますと、どういうことが起こるかというのが、今回の稲藁の問題です。例えば、
岩手の藤原町では稲藁 57000ベクレル/kg
宮城県の大崎 17000ベクレル/kg
南相馬市 10万6千ベクレル/kg
白河市 97000ベクレル/kg
岩手 64000ベクレル/kg
ということで、この数値というのは決して同心円上にはいかない。どこでどういうふうに落ちているかは、その時の天候、それから、その物質が 例えば水を吸い上げたかどうか。それで、今回の場合も私は南相馬に毎週末700km行って、東大のアイソトープセンター、現在まで7回の除染をやっておりますが、南相馬に最初に行った時には1台のガイガーカウンターしかありません。
農林省が通達を出したという3月19日には、食料も水もガソリンも尽きようとして南相馬市長が痛切な訴えをウェブに流したのは、広く知られているところであります。
そのような事態の中で、通達1枚出しても誰も見ることが出来ないし誰も知ることができません。稲藁がそのような危険な状態にあるという事は、まったく農家は認識されていない。 農家は飼料を外国から買って、何十万円という負担をおって、さらに牛にやる水は実際に自分たちと同じ地下水を与えるように、その日から変えています。
そうすると、我々が見るのは何をやらなければいけないかというとまず、汚染地で徹底した測定が出来るようにするという事を保証しなくてはいけません。
我々が5月下旬に行った時、先ほど申し上げたように1台しか南相馬に無かったというけれど、実際には米軍から20台の個人線量計がきていました。
しかし、その英文の解説書を市役所の教育委員会で分からなくて、我々が行って教えてあげて実際に使いだして初めて20個の測定が出来るようになっている。これが現地の状況です。
そして先程から食品検査と言われていますが、ゲルマニウムカウンターというものではなしに今日ではもっと、イメージングベースの測定器というのが遥かに沢山、半導体で開発されています。
何故、政府はそれを全面的に応用してやろうとして全国に作るためにお金を使わないのか。3か月経ってそのような事が全く行われていない事に、私は満身の怒りを表明します。
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