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スイスニュース2026/27
酷暑死統計
世界的に酷暑となったこの夏、スイスでも多くの被害者が出た。6月から9月の間、暑さのために予見できる寿命を全うできなかった人は600人を超えると連邦統計局が発表した。階段を上るだけで心拍が激しくなるなどの症状は多くの場合、ちょっとした不快感で済むが、これで命を落とす人もあった。1864年の観測開始以来、最も暑い夏、体が暑さに慣れていない6月末に熱波が襲ったことが犠牲者が多かったことの原因だとSwiss TPHスイス熱帯公衆健康研究所の疫学者Martina Ragettliは説明する。 犠牲者の多くが65才以上の人であることは理解できるが、第2の熱波では65才以下の人の犠牲が多かったことは、夏休みが終わり、日常生活が再開した時点で気温が急に上がったことが理由だと考えられる。これらの人々は公式的には暑さのために亡くなったとは記録さないため、正確な統計は難しい。連邦が毎週行っている集計でも死因は記録されず、暑さと死亡の関係は明らかにはならない。Swiss TPHが追加的に分析している気温データとの関係が明らかにされ発表されるのは来年になるとされる。これまで高温による死亡例がもっとも多かった年は2003年とされているが、その後は減少が続いており、これは警報システムが整備されたことによるとされる。しかし、完全な高温対策を立てているのは26州のうち8だけで、連邦は関係しておらず、担当連邦大臣Albert Röstiによると、これからも同じ状態が続く。統計から分かることは、高齢者だけが危険に晒されるのではないということだ。個別の死因は明らかにならないが、明らかなのは地球温暖化に伴い、酷暑の夏が今後、増えることはあっても、減ることはないということだ。2026-09-23連邦統計局 -
Swiss TPH -
Martina Ragettli
ドイツ人が好むスイス
近年、外国に新天地を求めるドイツ人が増えているが、移住先で最も多いのがスイスだ。この隣国は堅牢な経済だけでなく、高い生活の質そして、文化の近親性もドイツ人を納得させる原因となっている。南ヨーロッパで暮らすことを夢見る人は多いが、専門職労働者、学生、家族は意識的にスイス誓約連邦を選ぶことが多い。ドイツ人が何故、温かいスペインやイタリアではなく隣国を選ぶのか? 堅調な経済は労働力を常に必要としており、記録的な人手不足となっている。BFS連邦統計局によると2025年末、94000の職場が空席となっていた。これは現在も続き、職を求めて移って来る人たちにはチャンスが大きい。ドイツは世界で20番目に移出者が多い国で、出国者と帰国者のバランスは常にプラスとなっている。2024年には 21000人のドイツ人がスイスに移住し、2025年末には338952人のドイツ国籍者がスイスに居住していた。スイスに次いで移住先としてドイツ人が好むのはやはり隣国のオーストリアで2024年には前年比3.4%増の232700人が居住していた。EUとEFTAヨーロッパ共同経済圏の国民にとってスイスの制度は分かりやすく、EUとの協調の下、比較的自由な移民政策を採っており、複雑な手続きなしで労働許可を得ることが出来る。移入手続きはスイス当局により迅速、効率的かつ人当たりの良いやり方で行われる。スイスは更に良好に構築されたインフラストラクチャがあり、移住、そして暮らしに慣れることが容易だ。多くの統計、例えばOECDのBetter Life Indexでスイスは常に上位を占め、Economist Intelligence Unitでは2025年、チューリヒとジュネーヴが住むに値する都市の3位と5位に入っている。スイスはまた、優れた健康制度でも知られ、日本に次ぎ、世界第二位の長寿国となっており、住民の79.2 %が自分は健康だと感じている。また、Global Peace Indexによるとスイスは世界6位の安全な国で、90%の住民が安心だと感じている。ヨーロッパの中心にあるスイスにとって交通網は特に重要だが、それに呼応して強く構築されている。3の国際空港チューリヒ、ジュネーヴ、バーゼルが世界と結び、高速道路とトンネルは迅速な移動を可能にしている。鉄道SBBは非常に発達した鉄道網を持ち、Transport and Environmentはスイス鉄道をヨーロッパで最も正確な鉄道だと評価している。有害廃棄物の排出が少ないスイスでは空気の状態も良く、大気汚染ランキングでは世界138カ国中114位となっている。水質も良いことが知られており、多くの自然保護地があり、当然、近くの保養地としてのアルプスの存在は大きい。2026-09-19BFS -
Better Life Index -
Economist Intelligence Unit
破られなかった記録
今年の夏は気候に関するあらゆる記録が書き換えられたが、ただ一つ、破られなかった記録がある。平均気温は世紀の夏と言われた2003年をはっきりと上回り、河湖の水位は史上最低となった。9月10日に発表されたスイス気候気象研究所dの報告を読むと、この夏の数か月が如何に異常だったか分かる。長年の観測から導き出されたモデルによると温室効果ガスの削減を国際的な取り決め通りに達成することは出来ず、二年に一度は最高気温記録が破られる世界に入っていくことになるとETH連邦工科大学チューリヒの気候物理学教授Reto Knuttiは話す。6,7,8月の平均気温は17.2°Cで、1991–2020年の平均気温を3.4°C上回った。Knuttiはこの原因を5挙げる、乾燥した地面は水分の蒸発が十分に行われず、大気は太陽光の通過を高めた。さらに高気圧がヨーロッパ上に集中したこと、嵐が少ないことを挙げた。スイスは世界で最も温暖化の進むのが早い地域の一つで、世界平均の2倍の速さで進んでいる。最高気温はBasel/Binningen観測所で7月30日に記録された39.7°Cで、2015年にGeneve/Cointrinで観測されたアルプス以北の最高気温記録に並んだ。同じ日にTicino州でアルプス以南の最高気温39.2°Cが記録された。高山でも高気温が記録されScuolでは標高1304mで35.1°Cとなった。しかし、絶対最高気温2003年にGraubünden州のGronoで記録された41.5°Cは破られなかった。3日続いて平均気温が25°Cを超えると熱波と呼ばれるが、これが今年は4回あった。Locarno/Montiではレベル3の高温警報が57回、レベル4が33回発表された。Basel, Geneve、Sierreでは30°Cを上回る日が50日を超え、Bern,Zürichでは40日を超えた。また35°Cを超える日が大幅に増えた。夜間の気温が20°Cを下回らない熱帯夜も大幅に増え、Locarno/Montiでは50回を超えた。北西スイスのNeuchatelでも熱帯夜が2023年の二倍の30回となった。一方、河川の水位も大きく下がり、ドイツ、オーストリアと岸を接するBodenseeを始めとして水深が例年の半分以下になった。降水も例年の61%となっており、運輸の大動脈であるRhein河でも水位の低下が深刻で、大きな影響が出ている。2026-09-11Reto Knutti -
Grono -
Locarno/Monti
大麻合法化実験
2024年に始まった大麻の合法化実験で実験参加者の大麻消費が僅かに減ったことが発表された。参加者は特定の薬局で合法的に大麻を買うことが出るが、その前に詳しい情報が、例えば、大麻の葉をタバコのように吸うより液体を蒸気化して吸入したり、スプレーとして吸入するのが害が少ないなどの情報が特別に教育を受けた相談員から伝えられる。薬局ではこの実験のために特別に製造された花、ヤニ、電子タバコ用の液体などの製品が売られる。この実験の結果は政治の場で盛んに行われる危惧の議論を弱めると実験の責任者であるベルン大学Universität Bernの家庭医学研究所のReto Auerは説明する。薬局での大麻の価格は専門的な相談の費用などのために闇市場でのそれよりも高いが、年配の人が受け入れる率は高いが、18から25才の層では反応が大きい。実験開始前には大麻製品が転売される恐れについての議論があったが、これまで警察が介入したのは1件だけだ。この実験は連邦政府によって2028年10月まで延長され現在、参加各都市の中間報告を踏まえた連邦法の案が練られている。ベルン市の社会部部長Ursina Andereggは、大麻が消費されるという事実は誰もが知っており、都市では違法物質による問題を持つ人が顕在化している今、大麻禁止文化を打ち破ることに寄与したいと考えていると話す。ルツェルン市Luzernも実験に参加しており、覚醒剤政策の長年の経験と今回の実験結果により、大麻の規制についての見通しはかなりハッキリして来たと市の社会安全部部長Melanie Setzは話す。2026-09-07Universität Luzern -
Universität Bern -
SRF
災難の秋2001年
2001年の秋はスイスにとって終わりのない災難の季節だった。9月11日にWorld Trade Centerの旅客機突入事件が起こったのに続き74日間で5件のスイスに関わる大事件が起こった。Zug州議会への襲撃事件、Swissairのグランディング、Gotthardtトンネルの火災、そして11月24日のBassersdorfでのCrossair墜落まで、当時の連邦大臣Moritz Leuenbergerが、終わることがないのか?と発言するほどの災難の秋だった。人々の気持ちを代弁するようなこの言葉の後、災難のシリーズは収まった。2026-09-07SRF -
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女子君主継承権
スイスとオーストリア国境の小国Liechtensteinリヒテンシュタイン公国はLiechtenstein公爵家が世襲で君主を出しているが、国民の祝日である今日、これまで男子に限定されていた君主継承権を女子にも与える決定を発表した。現在、Hans-Adam二世が公爵でその長男のAloisが実務を代行しているが、今後代々、公爵の長子が、男女に関わらず、公爵位を継ぐことになる。Aloisは妻のBayern侯爵のSophieとの間に4人の子があり、Aloisに次いで公爵となるのは長子のJoseph Wenzel王子ということになるが、例えば、彼の最初の子が女子であれば、史上初の女性公爵が誕生することになる。Liechtenstein公爵は政治的にも、他の君主に比べて大きな権限を持つ。Aloisは2019年にはまだ、300年以上続く公国の制度を変えるのは難しいとして、女子が君主を継承することには反対の態度を示していたが、ヨーロッパの君主国の大部分で女王が実現している事実には抗えないと判断したと見られる。2026-08-15Note リヒテンシュタイン -
Alois -
Blick
やっと普通の夏に
スイスでも高温、乾燥が続き、様々なところで危機的な状況となっている。来る日曜日と月曜日には雨が降ると予報が出ているが、全国的な降雨とはならず、その効果はまさに焼け石に水だと見られる。5月に始まり、6月の数日の休みを挟んで、これまで高温、乾燥が続いており、農業、水運、生物などに深刻な影響を与えているが、今のところ止む気配はない。雨が降ったとしても乾ききった土地は水を弾き、水は殆どすべて河川に流れ込み、生物の大きな助けにはならない。来週以降は最高気温が23から26度の普通の夏になると見られるが、ダメージを受けた自然の回復には長い時間が必要だと見られる。2026-08-12SRF公共放送 -
ヨーロッパ天気 -
MeteoFrancd
花火抜き、国民の祝日
8月1日は国民の祝日で、例年ならば各地で大小さまざまな形で花火が打ち上げられるが、今年はその数は僅かなものになると見られる。原因は高気温と乾燥で、火事の危険度が極度に高まっていることだ。この日が最大の稼ぎ時である花火製造業者、販売業者は大量の在庫を抱え込むことになり、まとまった雨が降ることを天に願っている。大部分の州では火気絶対禁止となっており、一部では森林部での火気が厳禁となり、規制が発表されていないのはグラウビュンデン州の一部だけとなっている。ドローンや光のショーで代替えするところも多くある。2024-08-01国民の祝日 -
花火 -
ドローンと光のショー