スイスの愉しみ、ニュースと生活密着情報

スイスニュース2025/26
スイスで最も悪化、交通安全
ヨーロッパの大多数の国で交通死亡事故が減っている中で、スイスは最悪の記録を立てている。最近5年間で交通死は34%増え、昨年一年間だけで250人の犠牲者が出ている。この否定的な記録を避ける対策はこれまで成功していないとBFU連邦事故防止事務所は認めている。交通安全のための一貫した政策とすべての交通参加者の協力が必要だ。BFUの道路交通部長Mario Cavegnは、有効な対策はあり、それを実行できるかどうかだけが課題だと話す。Astra連邦道路局の立てた2030年には交通死を100に減らす目標を達成することは政治の力が無ければ不可能だという。交通安全は国会の決定のために痛めつけられている。例えば、軽自動二輪車の運転可能年齢の引き下げにより、重大事故数は倍加した。また、他の国では時速30㎞とされる区間はスイスではより高速で走行できる。さらに、子供の自転車ヘルメット着用義務が国会で否決されたことが挙げられる。ヨーロッパ交通安全委員会ETSCのランキングEU Progress on Road Safetyによるとスイスは最悪の発達をたどっており、ヨーロッパ平均の交通死が12%減っており、最近10年でもヨーロッパ平均がマイナス17%なのに対してスイスは2.9%のプラスとなった。この思わしくない傾向にもかかわらず、スイスの道路は最も安全なものの一つだとBFUは報告している。しかし、ETSCの立てた目標を達成することは交通安全を向上させることに決定的な影響を与えると加えている。2025-11-05BFU -
Astra -
EU Progress on Road Safety
0.1度の気温抑制も貴重
ETH Zürich連邦工科大学チューリヒの気候研究者Reto Knuttiは、スイスが地球温暖化のホットスポットになっていることに驚いていると話す。現在、スイスの平均気温は産業革命前より2.9度高くなっており、世界平均の二倍で、これは数年前までは予想されていなかった。中部ヨーロッパの温暖化が他より強いのには様々な原因があり、第一は陸地は大洋よりも温まりやすいことだ。しかし、太陽光を宇宙に反射する雪と氷河の消失も大きな影響を与えており、夏の表土の乾燥も温暖化を促進する。さらに、大気汚染が減ったことで、太陽光が地表に届くことへの障害物が減ったことも原因とされる。ETHの50人の研究者と連邦機構局との協力でまとめたシナリオは、この傾向が続くことを表しており、温暖化3度に向かうことになり、これはスイスにとっては4.9度を意味する。1900年には冬の零度高度はチューリヒの標高だったが、現在は1000m高いAndermattのそれになっていると気象機関MeteoSchweizのRegula Mülchiは説明する。これは氷河、自然、スキー場に大きな影響を与える。中部平地地方の変化も強く、チューリヒの熱帯夜の数は現在までの8から41に増えると見られ、郊外でもその数は18に増えると考えられる。連邦気象局の最新の報告は、人がこの数年、経験してきたことが、大きな増幅で繰り返されることを示しており、強雨、夏の乾燥と高温、はっきりと少ない降雪がより大きな規模で起きることになる。パリ気候議定書で合意された1.5度の気温上昇に抑える目標の達成は絶望的に見えるが、Knuttiは僅か0.1度でも温暖化を抑えることが出来ればそれは貴重なことだと話す。2025-11-05Reto Knutti -
Regula Mülchi -
Andermatt
警備ロボット、是非
現在、開催中のバーゼルの見本市Basler Herbstmesseはスイス最大のものの一つで、一般の人も楽しめるものだが、夜間の警備にロボットの導入が検討されている。この二輪車ロボットは連邦工科大学のスタートアップAscentoで開発されたもので、警備会社Securitasが導入している。州の情報保護人Danielle Kaufmannは見本市での導入を停止させた。夜間、無人の見本市会場をパトロールするロボットの姿はサイエンスフィクションのようだが、実際に試されており、Kaufmannはバーゼル市州が許可を出していないことを確かめ、停止を命令した。しかし、ロボットを購入したのはバーゼル市州で、立地マーケティング担当のChristoph BosshardtはSecuritasが提案して、我々の気に入ったと説明しているが、今後、法的な問題を解明してから、決定をするとしている。これまで、人が行っていた警備パトロールをロボットで代替えすることは大きな負担軽減になると考えられる。開発者のCEO Alessandro Morraは、このロボットは広い敷地を自律的に移動し、疑いのある動きを察知し、警報を出すことが出来ると説明している。2025-11-01Basler Herbstmesse -
Danielle Kaufmann -
Ascento
日本ブーム2
1980年代と同じようにスイスでは日本ブームが盛り上がっている、1980年代は日本経済の強さが主な原因だったが、経済の衰退が言われる今、大きなブームになっているのがマンガだ。書店でのマンガの売り上げはこの数年で4倍になって、かつてはニッチ分野だったものがコンサートや菓子などと並んでcool Japanのメインストリームになっている。チューリヒで生まれ育ったManusは子供の頃から自己流でマンガを描いていたが、Luzernのアニメスタジオにつづき、日本に滞在したことで、マンガを職業とする決心をしたという。現在はワークショップを開いたりPop Con Festivalなどのイヴェントに出演したりしている。マンガに関するイヴェントは人気が高く、MontreuxからLausanneに移ったPolymangaには今年、51000人が訪問した。2025-11-01Manus -
Pop Con Festival -
Polymanga
相続税?
11月30日に青年社民党JUSOの発議、連邦レベルでの相続税の新設が国民投票にかけられるが、これまで相続税にまつわる経緯は広くは知られていない。現在、連邦レベルでの相続税は存在しておらず、各州の権限となっている。JUSOはこれを連邦税として新設することを求めており、内容は5千万フラン以下の資産の相続は無税、それ以上は税率50%が適用されるとしている。歴史的には相続税率は現在よりもかなり高いものだった。現在の税率の平均は1990年のそれの3分の1になっている。この30年余りで何故、相続税が下がったのかを経済史家のGisela Hürlimannが説明する。第一に1990年代から2000年代にかけての各州の間での税競争がある。多数の州は配偶者や子による相続を無税にした。1990年に税調和法が成立したが、この各州の間での税の不公平を緩和しようとする法律には相続税についての項目はなかった。これで、各州は相続税での競争の自由を手にしたことは運命の皮肉だった。各州の財務部長と保守陣営では相続には手を付けないという固定観念が出来上がった。税調和法の目的は富裕層に強く課税して、貧困層の負担を減らすことが第一ではなく、各州間の格差を小さくすることが最大の目論見だった。また、当時の貧富の格差は現在ほど大きくなく、相続による資産の蓄積も強くは起こっていなかった。すなわち、税調和は左派だけの発想ではなかった。相続に課税するという考えは既に数百年前からあり、実際の導入はフランス革命に伴うものだった。そして1798年にはスイス共和国もこれを導入した。遺産は労せずに手に入れるもので、何かの業績によるものではないとして、他よりもより強く、税が取り立てられるものになった。1990年を境とする相続税廃止は多くの層から自明のこととされてきて、左派勢力だけが抵抗を続けて来た。左派勢力にとっては広がる経済格差に対する戦いのほぼ唯一の武器となった。連邦レベルで例えば資産税に手を付けることは広い層からの強い反発を招くことは火を見るよりも明らかだからだ2025-10-27JUSO -
Gisela Hürlimann -
ch.ch
減った脳卒中死
スイスでは2004から2017年の間に脳卒中により亡くなる人の数が半減した。人口10万人当たりで女性が77.5 人から38.5人に、男性では56.1人から27.2人に減少した。International Journal of Epidemiologyの調査によるもので、スイス心臓財団が今日、発表した。その一方、脳卒中と診断された人の数は14000人から26000人以上に大幅に増えた。これは診断技術と統計技術の進歩によるものと考えられる。脳卒中と診断された人の死亡率は22.7%から10.5%に減った。診断後の処置が迅速に行われるようになったことと、脳溢血治療の専門施設が整備され治療レベルが上がったためと見られる。研究提案者のZürich大学病院の神経科医師Susanne Wegenerは、知識を広めることと脳卒中医療への投資が効果を顕したと説明する。この進歩にも拘らず、脳卒中はスイスでは最大の死因と後遺症の原因の一つで、スイス心臓財団では健康な生活スタイルや心臓循環器のより良いリスク管理により脳卒中の半分は避けることのできるものだとしている。リスク要素を知る人は突然の麻痺や発音障害、視力障害などの警告に素早く反応することが出来ると心臓財団の副総裁でベルンの大学病院InselのStroke Centerの所長Marcel Arnoldは説明する。10月29日の世界脳卒中の日にあたりスイス心臓財団は予防を日常的なものすることを呼び掛ける2025-10-27International Journal of Epidemiology -
Susanne Wegener -
Marcel Arnold
最新配送センター
Schweizerische Postスイス郵便はAargau州Villmergenの最新技術を駆使した配送センターを開設したが、医療品をその主要取扱品としている。薬、医療器具、人工補装具などを取り扱うためのインフラストラクチャに重点的に投資するという。スイス郵便は10年ほど前からいわゆる健康流通に力を入れており、病院、医院などへの供給や保管の肩代わりをしている。チューリヒの応用科学大学ZHAWのマネージメントとデジタル化の専門家、Alfred Angerer博士は、医療分野では他により有力な事業者があるが、電子患者カルテの分野では最大手で、医療の電子化の牽引車の一つだ。政治もこの動きに注目しており、市民政党は歓迎の意を表わしている一方、左派はこれがスイス郵便の終わりになるのではないかという憂慮を明らかにしている。2025-10-21Schweizerische Post -
Villmergen配送センター -
Alfred Angerer
パレスティーナデモ参加者
先週土曜日、11日に行われた無許可のパレスティーナ支援デモでベルン市では大きな物的被害が出たが、警察がこの程、その内容を公表した。出版社Tamediaのベルンの新聞2紙が報道したもので、警察が包囲した536人の先鋭グループの極左団体schwarzer Blockに属する者たちを含むメンバーについてのデータが明らかにされた。それによると、80%が他の州からやって来ており、ほぼ半数が女性だった。85%がスイス国民で、捕獲された者の大部分は20才台だった。23人が未成年者で、全員が釈放された。これから、多くは覆面を着けていた容疑者の犯罪性を証明するための司法のきな作業が始まる。公共秩序侵害の罪が適用されることは多くの参加者では明らかで、これには3年までの懲役刑が該当する。更に、当局と公務員に対する暴力が認められると見られが、これには個別の例の立証が必要で、複雑な手続きとなる。彼らの多くはヘルメットと眼鏡を着用しており、人物確認を難しくしていると地域警察副署長Michael Bettschenはメディアに語った。このような流動的な出来事の詳細な分析は極めて難しいとされる。2025-10-15パレスティーナ支援デモ -
schwarzer Block -
Michael Bettschen
スイスのドイツ人
スイスには33万人のドイツ人が定住しており、イタリア人に次ぎ二番目のグループだ。ドイツ語圏スイスとドイツを合わせて大きな州だという考え方もあるが、長くスイスに住んでいる人は赤いパスポートの取得を希望する人が多く、昨年は8200のドイツ人がスイス国籍を獲得したが、そのなかで政治に関わるドイツ人の数は驚くほど少ない。都市圏にドイツ領も含まれるBasel市州議会では標準ドイツ語Hochdeutschで議論が行われるが、ドイツ風の言い回しは目立つ。隣のBasel地方州の議会ではスイスドイツ語で討論されるが、20年前からスイスに住み8年前に州議会議員になったBeatrix von Suryは議会で唯一の標準ドイツ語話者だ。彼女が初めて発言した時、一つの会派の多くの議員が無視したという。スイスのドイツ人会の代表Matthias Estermannも、知っているドイツ人の中で政治に関わりたいと思っている人は一人もいないと話す。それには、ドイツ人はスイスでは非常に愛される人々ではないという事情もあり、どうせ票は集まらないと考えるからだという意見もある。政治アナリストのNenad Stojanovicは2015年の国民議会選挙について、典型的なスイス名ではない人は回避されることが多いが、ドイツ人では旧ユーゴスラヴィアやトルコの人たちよりもその傾向が強いと話す。ドイツ人移住者は出身国からの連帯が他の国よりも弱いことも原因ではないかとEstermannは推測する。2025-10-05Basel市州議会 -
Basel地方州議会 -
Matthias Estermann
言語差別
多言語を誇りにするスイスでは毎年一回、国会で議員たちが母語ではない言語で演説をする議会が開かれる。しかし、多言語性は度々、危うい状況に陥る。東スイスの2州が最近、早期フランス語教育を廃止する方針を発表したが、他の二つの公用語、イタリア語とレトロマン語の実情はもっと深刻だ。イタリア語圏の住民は自分たちは二等国民なのかと自問する機会が多い。イタリア語公共放送RSIはその番組Patti chiariで問題を取り上げた。医師との意思疎通がドイツ語でしかできない、スーパーマーケットの商品にイタリア語の表示が無い、または間違った説明がされていることなどが問題とされ、番組のゲスト、州の教育部長Marina Carobbioは、他の公用語が出来ないため、またはイタリア語圏以外であるため、公共サービスが十分に受けられないという状況があると話す。国民議会議員Anna Giacomettiはグループ «Italianità»の代表でもあるが、自らもそのような経験をしていると明かす。彼女はGraubünden州のイタリア語圏のBergellの出身だが、ドイツ語、イタリア語、レートロマン語の三言語州では州議会でドイツ語の書類が出された三日後にイタリア語の書類が届くことが通常となっていると話す。«Italianità»の副代表Greta Gysinも首都の議会でも差別はあり、全ての書類が自動的にすべての公用語に翻訳されることはないと話す。トレンドは明らかで、高校や言語学校でイタリア語コースが提供されることは減っており、何処も同じ英語の支配は強くなっている。言語学教授Giuseppe Patotaはしかし、英語はグローバル化の言語であり、イタリア語はDanteの言語、音楽の言語だとして、今でも世界中で歌を歌う人はイタリア語を習っていると話し、その意味が失われることはないと説明する。2025-09-29レトロマン語 -
RSI Patti chiari -
Greta Gysin
国民投票
今日行われた国民投票でふたつの連邦段階での発議はともに承認された。自己賃貸価値とよばれる不動産への課税を廃止するという発議、E-IDと呼ばれる電子身分証明の導入についての発議だ。自己賃貸価値の廃止は57.7%の賛成を受けたが、電子身分証明は50.4%というきわどい承認で、今後の行政の電子化に影を落とすものになった。2025-09-28自己賃貸価値 -
E-ID -
世界一のチーズ
フランスのToursで開かれたチーズと乳製品の世界コンテストMondial du fromage et des produits laitiersでNeuchâtel州の小村La Côte-aux-Féesのチーズ製造所のGruyère AOPが今年の世界一のチーズに選ばれた。34才のSimon Miguetの作品で、1900の競合チーズの中で最高の評価を受けた。12か月の熟成期間で、塩の結晶ができ始める状態のチーズは、塩味と風味が絶妙な調和をなしているとされた。39%のTrump関税がかけられてショックを受けているスイスにとっては、その製品が高評価を受けたことは国際的な競争力にプラスになるとチーズ精製者Anthony Margotは喜びをMiguetと分け合った。2025-09-18Mondial du fromage et des produits laitiers -
Gruyère AOP Simon Miguet -
Anthony Margot
職能選手権
デンマークのHerningで開かれた職能ヨーロッパ選手権EuroSkillsでスイスチームは最高の成功を収めた。SwissSkills代表チームの参加者16人のうち13人がメダルを獲得した。服装制作でMelitta LeuとPaula Steinのチーム, 異企業間ビジネス開発でMarlon MathieuとLeonardo Soares Sousa,Carmen Bircherのチーム、自動車技術でAlina Knüsel, 大工でMaurus Dörig,農業機械でAndrin Doblerが金メダル、電気設備でJana Gander, 美容でJulie Zufferey, 壁師でFlorian Hurniが銀メダル、床職人でJanis Schönenberger, 料理でPascal Arnoldが銅メダルを勝ち取った。2025-09-15EuroSkills -
Blick -
SwissSkills
国産AI
スイスは自国製の人工知能モデルでこの領域に切り込みをかける。Apertus LLMと名付けられたモデルは発表時には既に最新ではなくなっており、性能的には2024年に発表されたMetaのLlama-3-Modellと同じ水準だとされている。開発チームは百億ドル単位の資金で開発が行われているUSAの人口知能に対抗するつもりはなく、最新の使用機能を諦める代わりに科学と企業に安全で堅牢なシステムを提供することを目標にしている。開発責任者、EPFL連邦工科大学ロザンヌのMartin Jaggi教授は、信頼性のある独立した包括的なシステム目指すと話している。OpenAIs ChatGPTが発表された2022年以来、凄まじい勢いで開発競争が行われているが、機械の誤認識、人間の錯覚が増幅されるなど様々な問題が出てきている。未来への要望に応えるべきAIシステムは社会を破壊する可能性も秘めている。その対策として、公共のオープンソースAIモデルが商用の競合者と両立することは有効なことだ。Apertusは開発手順を含めるすべてを公開にすることで、AIの影の部分を最小にするとしている。Open-Source-KI-Community Hugging Faceの開発主任Leandro von Werraは、これはこれまでで最とも野心的なオープンソースモデルだと話す。2025-09-04Apertus LLM -
Martin Jaggi -
Leandro von Werra
フランス語教育、削減
チューリヒ州政府は現在、5年生から始まる早期フランス語教育を廃止する方針を固め、州議会はこの動議を多数で承認した。同様の方針を示すのはチューリヒが初めてではなく、Appenzell Ausserrhoden州政府は手づづきを進める命令を下し、St. GallenとThurgau両州、さらに二言語州であるBernもフランス語教育開始を小学校から中学校に遅らせることを検討している。チューリヒ州の教育執行議員Silvia Steinerはこれを危ない火遊びだと批判し、各州の調和合意HarmoSに反する恐れがあることを指摘している。フランス語早期教育に力を入れている教育担当連邦大臣Elisabeth Baume-Schneiderは多言語連邦国スイスでは言語の多様性は重要だとして憂慮を表明した。ドイツ語圏の州では英語の早期教育が進められている一方、フランス語が軽んじられる傾向が強くなっていることはフランス語圏では侮辱だと受け取られている。フランス語圏では早期ドイツ語教育が確固たる位置を占めており、第二公用語を習うことはスイスが多言語連邦国であることを意識することに寄与するとされている。2025-09-04Silvia Steiner -
HarmoS -
Elisabeth Baume-Schneider
Street Patade!
今ではヨーロッパ最大のテクノパーティーとなったチューリヒのStreet Patadeは今日、13時に公式に始まったが、12時頃から続々と人々が集まって、14時のLovemobilesの出発時にはコースにあたる道路や公園は埋め尽くされた。30台のLovemobiles、200人以上のDJが920000人と予測される参加者のために雰囲気を盛り上げる。夏が戻ってきて、30度を軽く越す気温の中、多くの男性が初めから上半身裸になっている。スイス国内だけではなく外国からやってくる人たちも多く、As crazy as possibleや今年の公式モット―Love, Dance, Funを実現すべく用意している。第一回から参加している人もあり、60才の女性コンビの姿も見られる。ホテルHotel Baur au Lacも参画しており、湖岸に停泊するボートも人々で埋められている。警察も警察学校の生徒も動員して警備にあたっている。保健当局も総動員で対応にあたっているが、今年の高気温で熱中症になる人が多くなると見られるため、フェルト帽子やカツラの着用は出来る限り避けるように呼び掛けている。2025-08-09Blick -
Street Patade -
Tages-Anzeiger
Trump関税への対応
7月31日にTrump大統領が布告した関税が今日、発効した。39%というヨーロッパでは最高の税率が適用されるスイスでは、連邦内閣がUSAとの交渉を続ける一方、Geneveで国会議員たちがFriends of Switzerland Caucusに所属するUSAの20人の共和党員、8人の民主党員と話し合った。どちらの協議についても内容は全く知られていない。経済界では、Nidwalden州の経済部長Othmar Filligerが Pilatus航空機製作所の代表と話し合いを行い、同社のUSAへの航空機輸出の一時的停止の決定に理解を示した。Pilatusは同州で最大の雇用者であり、同州からの輸出の47%を担っているが、USAでの生産計画を促進する動きを加速する構えだ。同社の主力機PC-12とPC-24の40%は毎年、USAに輸出されており、USAの決定した高率関税は同社の競争力を大きく削ぐことになる。Zürich州は高関税率による総生産の損失は5から12億フランに上ると見ており、商工会議所ZHKは長期的に州の富の収縮をもたらすとして、5ポイントの対策を発表した。第一は実質0規制、第二は経営のデジタル化の促進、第三は州税の税率の引き下げで、さらに、州の各種料金の正当性を精査し、州の介入による市場の湾曲を公開し、それを制限することが謳われている。ZHK総裁のRaphaël Tschanzは政治の迅速な対応を求めた。高い関税率は州の工業製品の輸出20億フラン相当に影響を与えると考えられている。2025-08-08Friends of Switzerland Caucus -
Pilatus Flugzeugwerke -
ZHK
誕生日の悪い知らせ
今日8月1日はスイスの国民の祝日で、恒例通り連邦大臣はそれぞれ各地でスピーチを行っているが、事もあろうにその前日にUSAのTrump大統領がスイスからの輸入品への関税を39%にすると発表し、大混乱となっている。4月にTrumpが発表した税率が31%であり、数日前にEUからの輸入品に15%の関税を課することで合意していただけに、ショックは大きい。国と連邦内閣にとっての大失態という評価をするメディアは多い。Trumpはスイスとは特別な関係を持っておらず、スイスに圧力をかけて儲けを引き出そうという姿勢だと見られている。4月の31%には危なかしいとは言え根拠が説明されたが、39%にそれさえもない。交渉でスイスは大きすぎる賭けをしたのではないかと推測する筋もある。小さな市場しか持たないスイスが持っているカードは少ない。スイスはUSAの財務長官Scott Bessentと税率10%での覚書を交わしていたが、Trumpはこれを認めず、交渉期限最終日に電話で会談したスイス連邦大統領Karin Keller-SutterにUSAの貿易赤字を盾に合意を拒否した。Keller-Sutterは国の誕生日とされる日への悪い知らせをプラットフォームXで国民に知らせなければならなかった。経済団体Economiesuisseはこの税率を正当性も説得力もないと批判し、スイスがUSAにとって世界で6番目の投資国であることを強調した。この税率が確定すれば、ヨーロッパの競合国に対して競争力で大きく劣ることになり、主要な輸出品である時計や精密機械の業界に大きな打撃になる。この税率が発効する8月7日までの超短期に交渉を進めると政府は表明しているが、1兆5千億ドルのUSAでの投資は既に約束しており、人口900万の小国にはTrumpが満足する額の輸入をすることは出来ない。農業分野での譲歩の余地はまだあるが、国内の反対勢力は強く、実現の可能性は小さい。2025-08-01国民の祝日 -
ブルームバークニュース -
Karin Keller-Sutter
混乱終わり、中央駅前
20日間にわたって混乱が続いたチューリヒ中央駅前にやっと正常が戻った。Centralまでの700mの路面軌道が入れ替えられ、市交通VBZの停留所Bahnhofquai/HBが改築された。工事期間中、2のバス路線、11の電車路線が迂回され、影響を受けなかった通勤者は一人もいなかったとされる。市土木部の広報係Helen Bergは、頻繁に降った雨の中での工事が終わったことで、満足していると話した。自動車、自転車も間もなく新しい道に慣れるだろうと望んでいる。数千人の通勤客のために特別チームTransportguidesが組織され、対応にあたったが、比較的に短い期間で交通迷路に多くの人は慣れたとVBZの広報係Judith Setzは話す。苦情も勿論、多く、特にCentralまで徒歩で行くほかに手段がないことに抗議する人が多かった。明日、8月1日からは電車もバスも元通りに運行される。2025-07-31Bahnhofquai/HB -
Central -
Judith Setz
半期決算
注目されるいくつかの決算発表があった。SNB国立銀行は2025年前半6か月の決算は153憶フランの赤字となった。主な原因はドル安で、保有外貨が227憶フラン、その価値を下げた。金は86憶フランのプラスとなった。フラン収支は10億フランのマイナスだった。第一四半期にはまだ67憶フランの黒字を計上していた。これにより、連邦と各州への配当は不確かな状況になった。一方、市中銀行最大手UBSは第2四半期の決算で24憶ドルの黒字を計上した。これは前年同期の二倍だ。また、併合したCredit Suisseからの移行作業は順調に行っているとも発表している。航空会社SWISSは今年前半の決算で、売り上げは前年同期と同水準の27憶フラン、営業利益は26%減の1億9510万フランだったと発表した。第2半期は、コスト高、機材とパイロットの不足、環大西洋の貨物需要の減少などから難しい状況が予想されるとしている。2025-07-31SNB -
UBS -
SWISS
ロシア議会議長、特別許可
ロシア連邦議会議長ヴァレンティナ・マトヴィエンコがジュネーヴで開かれた議会協力連合IPUの第15回首脳会議で演台に立った。76才の彼女はプーチンの側近とされ、ウクライナへの出兵やドネツク、ルハンスク、へルソン、ザポリジュジャの併合に青信号を出した一人だ。スイス、EUとUSAのロシア制裁のリストにも載っているが、今回は外交任務を妨げないことを義務としているホスト国のスイスが特例とした。ロシアではマトヴィエンコのスイス到着が政府専用機、花束、国際議会議場などの友好的な画像で報道されている。ジュネーヴでは平和促進者としてすべての国に安全の向上を呼びかけたが、彼女の登場は政治的に爆発力を持つもので、彼女の他にも制裁リストに載っている国会議員も同席していた。これはクレムリンにとって外交的成功の機会になったと評価されている。2025-07-29ヴァレンティナ・マトヴィエンコ -
IPU -
ロシア制裁リスト
何がスイスを?
8月1日の国民の祝日に合わせて、スイスの何が特別で、スイスの特徴は何かを尋ねる世論調査が行われた。「何がスイスの理想か?」という質問に各言語圏からの2790人の回答者が最も多く答えたのは政治制度だった。直接民主制、連邦制、軍組織がスイスを表すものだとする回答は54%だった。第二位は経済で、安定性、正確性、対応力について46%が経済的成功モデルに誇りを持っているが、こう答えたのは年齢が高い層で、18から35才の年齢層では31%となっている。これに3%の差で続くのは自然で、湖や山の美しさがスイスの特徴として挙げられている。調査を行ったのは調査機関Sotomoで、その運営者で政治研究家のMichael Herrmanは、全てのところで生き生きしているのは国内についての意識だと分析する。世界的にはスイスは中立で知られ、仲介者としても評価されているが、スイス人にとってはこの側面はあまり重要ではなく、これを挙げたのは回答者の30%だった。中立と独立がスイスの特徴だと答えた人が3分の1以下だったことにHerrmanは驚くが、他の調査では中立は幾重にも重要視されていると話す。自由を愛し、尊厳ある、外圧に負けない国、強い人道的な伝統を持つ連帯的な国、中立で、国際的な責任を果たし、外圧に屈しない国はそれぞれ30%の人が挙げているに過ぎない。例えば言語圏による意識の違いも明らかで、ドイツ語圏では経済的成功が、フランス語圏では自然がそれぞれ49%、47%となっているのに対してイタリア語圏では中立と外交が43%となっている。何がスイスをまとめているかについては直接民主制とする答えが71%で、最も多く、複線型学校制度が41%、連邦制が34%、徴兵制が33%でそれに次ぐ。直接投票制は新たな溝を作ることもあるが、直接、決定に参加するという意識を高めることにもなっている。2025-07-27Sotomo -
直接民主制 -
連邦制