フランスの元大統領Nicolas Sarkozyは今日、大統領経験者としてはフランス共和国の歴史上はじめて収監された。9月に有罪の判決が下されたリビアのカダフィ大統領からの不正資金を受けた罪による。禁固期間は5年とされているが、弁護側は釈放を求めてさらに戦う姿勢だ。彼が収監されたのはパリの城壁内に残った最後の監獄Prison de la Santéで、Sarkozyは独房に入れられたとされる。2025-10-21 Nicolas SarkozyカダフィPrison de la Santé
ロンドンの最低地点で地下67mの巨大トンネルが完成した。これで、定期的に限界を超える首都の下水システムの負荷を減らし、テームズ河の水質を向上させることが出来るとされる。茶色の河の水の色はしかし、この最新技術を使った土木作品でも変えることが出来ない。2025-09-15 tideway.londonB1M You TubeBBC
首相指名
国民議会で不信任となったFrançois Bayrouの辞任を受けてフランス大統領Emmanuel Macronは直ちに防衛大臣のSébastien Lecornuを首相に任命した。39才の与党Renaissance所属の政治家は大統領の側近とされる。大統領は政治空白を生む解散総選挙を避けようとしたと見られる。左派政党は協力を直ちに拒み、国会内でLecornuを支持すると見られる議員は91人(16%)と考えられ、超少数内閣となる可能性が高い。Lecornuは前回の首相選考でも候補とされたが、結局はBayrouが首相となった。Lecornuは同性婚に反対したことでも知られ、極右政党の指導者Marine Le Penとも一定のパイプがあるとされている。防衛界では彼は非常に知能が高いとされており、優れた防衛大臣を失うとして、残念がる声もある。2025-09-10 Sébastien LecornuRenaissanceMarine Le Pen
連立内閣、二期目へ
ノルウェーの国会議員選挙でJonas Gahr Støre首相の与党、社民労働党が28.2%の得票率で第一勢力となり、二期目の内閣を作るチャンスが出て来た。2021年の選挙から大きく得票率を伸ばした右翼ポピュリスト、進歩党Fremskrittspartietは23.9%の得票率で第二勢力となった。第三勢力は元首相Erna Solbergの保守政党Høyreで、14.6%の得票となった。暫定獲得議席では、左翼と中道政党が全議席169のうち87を占めると見られる。Støreは2021年以来、少数与党の首相だが、このような形で効率的な政治を行うことはノルウェーでは珍しいことではない。左翼と環境政党は首相の支持を約束しており、比較的安定した政権が立てられると見られている。400万人ほどの有権者に投票が呼び掛けられたが、選挙当局の発表では投票率は78.8%とされている。2025-09-09 Jonas Gahr StøreFremskrittspartietErna Solberg
また首相不信任
フランスの国民議会はFrançois Bayrou首相の信任投票を大差で否決した。この1年で2度目の首相辞任だ。前任者のMichel Barnier同様、彼の打ち出した緊縮政策に議会が強い反感を表明した形だ。これで大統領Emmanuel Macronは早急に後任を選ばなくてはならないが、今回は中道右派のBayrou内閣に代わり、左派の政党の助けを必要としている。フランスは国民総生産の114%にあたる3兆ユーロの国家負債を抱えており、この問題を解決するためには国民に負担を求めざるを得ないため、誰が首相になっても国民の大きな支持を受けることは難しいと考えられる。景気と経済の研究所OFCEの所長Mathieu Planeは、経済状況は深刻だが、以前より悪化はしていないとして、問題は多数を占める勢力が存在しない政治の膠着状態だと指摘する。世界の不安定な状態は経済にとって常に悪材料だが、解決の糸口は見つかっていない。2025-09-09 François BayrouMichel BarnierMathieu Plane
クロアチア極右化
30年前、セルビア分離運動が衛星都市を打ち立てたKrajinaでクロアチア軍がセルビア勢力を追い出して町を解放したことを記念する国の祝日の祝典で極右のスローガンが飛び交ったことで、国の成り行きが憂慮されている。1930年代に同時のユーゴスラヴィアで結成された超国民主義的テロリスト組織Ustašaの合言葉だった«Za dom spremni!» (祖国のために身を捧げる)が問題のスローガンで、この組織は第二次大戦中にファシスト政権を樹立し、ユダヤ人迫害を行った。7月初めには首都Zagrebでのファシズムを矮小化するThompsonのコンサートに数十万人が集まった。このロック歌手はプログラム外でナチスの強制収容所を賛美する歌を歌っている。このような風潮を批判する人はクロアチアでは敵視され、昨年の選挙で政権に就いた保守政党HDZは極右政党の祖国党と連立を組でいる。ヨーロッパの他の国でも若い男性が極右に同調する風潮は強まっているが、クロアチアでは政権がこれを正常だとしていることが問題視される。Ustašaの象徴は本来、禁止されているが、祖国党議員はこれを無視し、国会内でもUstaša式の挨拶を交わすまでになっている。国の人権問題担当官Tena Šimonovićはこれを法治国家性を覆うものだと批判したが、これに対して首相Andrej Plenkovićは、そのような意見を聞くつもりはないと答えている。2025-08-09 KrajinaUstašaThompson