9月30日に行われたオーストリア国会議員選挙で極右政党FPÖが29%の得票率で史上初めて第一勢力となったことを受けて連邦大統領Alexander Van der Bellenは今日、FPÖ党首Herbert Kicklと組閣についての話し合いを行ったが、その内容は、Kicklが組閣要請を受けたかどうかについても含めて明日、記者会見で発表されるとされている。議会の議席を持つどの政党もFPÖとの連立には否定的な立場を表明しており、内閣成立にはかなりの紆余曲折が予想される。現連立与党ÖVP人民党と緑の党だけでは安定内閣を組むことは出来ない状況になっているため、連立に向けての工作は非常に複雑になると見られる。大統領は今後、ÖVP党首で現首相のKarl Nehammer、社民党SPÖ党首、Andreas Babler、更に来週火曜日には経済政党Neosの党首Beate Meinl-Reisinger、そして緑の党Grünen党首Werner Koglerと会談する予定になっている。FPÖはネオナチだと考える人が多いが、Sebastian Kurz内閣時代には連立内閣に入っており、Kicklは内務大臣だったこともあり、再びFPÖとÖVPが連立を組む可能性も残されている。Kicklが閣内に入らないことを条件に連立を組むというアイデアも出されている。2024-10-04 Alexander Van der BellenHerbert KicklKarl Nehammer
6600万年前に現在のユカタン半島の近くに落下して数知れない生物の絶滅の原因となった天体についてこれまで多くのことは知られていなかったが、ケルン大学のMario Fischer-Göddeを中心とするチームがこの白亜紀と古第三紀との境目の時期に起こった出来事について詳しい分析を行い、専門雑誌Scienceに発表した。1970年代にはこの地域で他では見られない頻度で重金属イリジウムが発見され、これが天体の衝突によるものだと考えられることにり、今日でも定説となっている。その他にも地球上では稀なプラチナ、パラジウム、ルテニウムが発見されており、ケルン大学のチームはルテニウムに着目した。ルテニウムには多くの同位元素が存在するが、原子核に含まれる中性子によって、同じ組成でありながら質量が異なる。この特徴から天体の種類と起源を推測した。白亜紀と古第三紀の地層の境でだけでなく、3600万年から47000万年前の他の既知の天体落下現場でもルテニウムが発見された。更に、32億年と35億年前の地層からも発見された。これにより6600万年前に落下した隕石の特徴がエイコンドライトと呼ばれる石質隕石の特徴と一致することを確かめた。これはこの天体が太陽系の最外部からやって来たことを示している。木星の軌道の外側にある太陽系外郊部の天体が炭素を多く含んでいることが知られている。これにより、恐竜などの死滅の原因になったのが太陽系内部からの隕石ではないことがはっきりしたとFischer-Göddeは説明している。2024-08-16 Mario Fischer-GöddeScience白亜紀