
ヨーロッパの愉しみ、ニュースと生活密着情報
高いチューリヒ
Economist Intelligence Unitのランキングによるとチューリヒは順位を5あげて、シンガポールと並んで世界で最も生活コストのかかる都市とされた。第三位にはジュネーヴがニューヨークに並んだ。最も直接の原因はフラン高だとされている。世界から高資格労働者が集まるチューリヒでは住宅の需要が強く、住宅費は上がり続けている。更に、サービス料金もコスト高の要因だと消費者保護団体KonsumentenschutzのSarah Stalderは話す。医師や歯科医師の診察料、公共交通、託児料、映画入場料、理髪料、フィットネスジムも全国平均よりはっきり高いという。また、店舗などの賃貸料も高く、それが価格に反映されるが、高収入の住民が多いため、消費は抑えられない。このランキングの最下位はダマスカスで、順位を最も下げたのはロシアのモスクワとサンクトペテルブルクだ。2023-11-30EconomistKonsumentenschutzEconomist Intelligence Unit
狼駆除許可
連邦環境局Bafuは各州から出されていた狼射殺の13件の許可申請のうち12件を許可した。Graubünden, Wallis, Vaud, St. Gallen並びにTicinoの各州が申請していた。現在、32の狼の群れが確認されているが、そのうち12の群れを全滅させる計画で、12月1日から来年1月31日までの猟が許可されている。2022年に狼に襲われた家畜の数は1480に上り、山地農家ではヒツジやヤギの保護が課題となっている。山岳地帯で狼を見つけるのは非常に難しいとされ、Bafuは期間中に全頭を処理することは難しいと見ているが、狼への威嚇効果もあるとして許可を出したとしている。しかし、効果が確認されるまでには数年が必要だと見られる。これに対して狼保護団体CHWolfとAvenir Loup Lynx Juraはこれが野生生物の保護を謳ったベルン合意の精神に反するとして、ヨーロッパ議会に不服申請をした。2023-11-30SRFBafuAvenir Loup Lynx Jura
初の積雪で混乱
今日、殆どの地方人が最初に目にしたのは雪景色だった。この冬初めてのまとまった降雪によって、各地で混乱が起きた。ベルンでは複数の路線で電車の停留所が使用不可能となり、州警察は86件の事故処理に大わらわとなった。ソロトゥルン州では35件の交通事故が記録され、4人が負傷した。シュヴィーツ州では三輪自動車が乗用車と衝突して、運転者が重傷を負い、病院に運ばれた。グラウビュンデン州Davosの雪と雪崩の研究所SLFは二番目に高い警報4を発令した。同州では雪崩の危険性が非常に高まっている。2023-11-30SRF公共放送20Min.新聞SLF
病院でマスク着用義務
USBバーゼル大学病院は患者と接触する可能性のある訪問者へのマスク着用義務をこの月曜日から実施している。現在、病院にはコロナウイルス感染のために43人が隔離病棟に入院している。下水の検査では、2022年3月の最高値を100%として、11月3日には54.3%まで上昇している。同じバーゼルのClaraspitalも患者と接触のある従業員と軽い症状のある人ににマスク着用と手の消毒を義務付けている。バーゼル地方州の州立病院Kantonsspital Basellandではまだ公式には発表されていないが、風邪の症状のある人には着用が義務付けられている。アアルガウ州の州立病院Kantonsspital Baden、チューリヒ大学病院Unispital Zürichでもマスク着用が義務となっている。ベルンの大学病院Inselspital Bernとサンクト・ガッレンの州立病院Kantonsspital St. Gallenでは風邪の症状のある人にマスク着用を求めている。各地で医療センターを運営するMedbase Medical Centerでは風邪の症状のあるすべての人にマスク着用を求めている。ヴォ―州の大学病院Centre hospitalier universitaire vaudois (CHUV)、チューリヒの小児科病院Kinderspital Zürichでは6歳以上の人に, ツークの州立病院Zuger Kantonsspital,シャッフハウゼンの州立病院Kantonsspital Schaffhausenでも風邪の症状のある人すべてにマスク着用を求めている。Hirslanden-Klinikenに所属する病院では癌病棟でのマスク着用を義務付けている。ルツェルンの州立病院Kantonsspital Luzernでは成り行きを見守るとしている。2023-11-30USBMedbase Medical CenterHirslanden-Kliniken
玉ねぎ市!
今日は11月の第4月曜日で、ベルン国の非公式祝日、Zibelemärit玉ねぎ市の日だ。恒例通り午前4時半に屋台が開かれ、訪問者が三々五々、集まり始めた。今年は32トンの玉ねぎが用意されているが、他にもNidletäfeliクリームキャンディー, Bäremutz熊の足跡, Magenbrot薬用パンなどの名物が売られる。学校が午前中だけとなっているため、午後には子供たちも街中に出かけ、プラスティックハンマーや紙吹雪で訪問客を襲撃するため、混乱するが、明日のサッカーの国際試合のYBの対戦相手ベオグラードのファン2000人がベルン入りしているために、混乱に輪がかかると見られる。2023-11-27Zibelemärit玉ねぎ市 Magenbrot
仕事は減り、ストレスは増える
1950年にはスイス人は年間2500時間を俸給のために働いていたが、現在は1500時間に減っている。これは37%の減少だが、時間が足りないと嘆く人は多い。理由は自由時間にできることが増えていることだとGottlieb Duttweiler InstitutsのGianluca Scheideggerは説明する。第二の原因はどれほどの時間をメディア消費に使っているかに気付かないことだ。第三は電子通信手段などの普及で、仕事と自由時間が入り組んできたことだ。更に、世界は何時も何かをすることを求め続けており、怠けることが否定的に見られていることが大きな潮流だ。2023-11-23Gianluca Scheidegger
愛されるコーヒー
スイスではコーヒーは基礎食品と定められており、連邦は危機対策義務として現在、13500トンを備蓄している。スイス人一人当たり平均で一日、ほぼ2カップのコーヒーを飲むとされ、これは年間538カップに相当する。ドイツ語圏のドイツ、オーストリアでもコーヒーは愛好されており、デンマーク、モンテネグロ、ボスニア―ヘルツェゴヴィナも消費量が多い。トルコ、ウクライナ、ハンガリー、ポーランド、モルドバ、ベラルーシ、スロヴァキアではそれほどの人気はない。ヨーロッパ全体では北欧の消費量が多いが、その中でルクセンブルクがとびぬけた消費量第一位となっている。1㎏のコーヒー豆から83カップが淹れられるとされるが、ルクセンブルクの消費量は1200万キロで、全住民平均で年間一人1556カップを飲んでいることになる、これは一日、ほぼ4カップだ。住民数には通常はコーヒーを飲まないと考えられる子供も含まれており、この数字には注意する必要がある。調査はInternational Coffee Organizationが65か国を対象に行ったもので、絶対消費量ではUSAが最も多く、ブラジル、ドイツに続き日本が4位となっている。カップッチーノ1杯の値段が最も高いのはデンマークの5.2ドルで、カタールとスイスがそれに続いている。日本は2.4ドルほどで、工業国では最も安いクラスだ。最も安いのはアルジェリアの50セントとされている。2023-11-23International Coffee Organization義務備蓄Denmark The Local
全ての議席確定
10月22日に最初の投票が行われた国政選だが、今日やっとすべての議席が確定した。二回目の選挙が必要となるのは、州代議会議員の当選条件が過半数の得票となっているためで、様々な駆け引きが行われた後に二度目の投票となる。最初の投票では右派ポピュリストのSVPが大きく得票率を伸ばし、国民議会の議席を増やしたが、今日の投票ではMarco Chiesa一人を除き、SVP候補者は全員落選した。これまで唯一の無所属州代議会議員だったSchaffhausen州のThomas Minderは12年の任期の後、議席を失った。国会小院の最終的な勢力図は伝統的な中道政党MitteとFDPが支配的なものに落ち着いたが、国民議会で議席を減らした緑のリベラル党GLPのTiana Moserと議会副議長のLisa Mazzoneを破ったジュネーヴの市民団体MCGのMauro Poggiaがそれぞれ議席を獲得したのが目新しい。2023-11-19州代議会Thomas MinderTiana Moser
高速道路シール電子版
高速道路利用シールAutobahnVignetteが12月から電子版でも発行される。これまではフロントガラスの内側に張り付けて使うものだったが、これからは自動車ナンバーと紐つけられた電子利用券が利用できる。今年8月から入手できたものだったが、大多数はシールを既に張り付けており、今年の分の利用は当然、僅かだった。12月から有効になる2024年電子シールは2025年1月末まで有効だ。料金はこれまでと同じ40フランだが、民間販売者もおり、そこではより高い価格が設定されている。公式サイト、連邦のVia-Portalでオンラインで購入できるが、その際、車両タイプと自動車ナンバーを登録しなければならない。領収書を希望する人はさらにメールアドレスを知らせる必要がある。2023-11-16AutobahnVignetteVia-Portal
統合後初の決算、UBS
銀行UBSはCredit Suisse完全吸収後、初めての四半期決算を発表し、2億5500万ドルの赤字となったことを明らかにした。Credit Suisseの吸収コスト調整後では8億4400万ドルの黒字となり、税金などの調整後の決算は7億4800万ドルの赤字となる。Credit Suisseをめぐる状況は落ち着いており、資金流入も再び始まったとされている。管理運用している資金は5兆3730憶フランで、6月の5兆5300憶フランから減少した。連邦の意思であるCredit Suisseの買収という事態を受けて呼び戻されたトップのSergio Ermottiは決算に満足しているとして、UBSはさらに安全になるだろうと話した。2023-11-09UBSCredit SuisseSergio Ermotti
完全復旧は来年9月、Gotthard鉄道トンネ、
8月10日に起きた脱線事故のために大きく損傷したGotthard鉄道トンネルについて、損傷が考えられていた以上に大きく、通常運行への復旧は2024年9月になると連邦鉄道SBB総裁、Vincent Ducrotが発表した。6㎞の区間が全面的に入れ替えられる必要があり、工事は一日20mが限度だとされる。費用は1億3千万フランと見積もられ、法律では運転者の所属する事業者が負担することになっており、貨物子会社SBB Cargoが負うことになるが、事故の原因となったと考えられる破損した車輪の製造会社Transwaggon AGにも費用負担の責任があるかどうかなどの審議には1年以上かかるとされ、運行復旧後も問題は続くと見られる。安全調査機関Sustでは車輪の破損の原因が金属疲労による疑いがあるとしており、SBBはレールにそのような兆候を探知するセンサーを設置することを検討しているが、このような装置は信頼性がまだ低く、判定間違いが頻発するとされている。2023-11-02Gotthard鉄道トンネルSustTranswaggon AG
遺伝子操作決定先送り
連邦政府は遺伝子操作についての決定を2025年に先送りした。政府の発表は、問題は非常に複雑で、EU委員会の提案を精査し、スイス独自の観点で制度に組み込むためには現時点ではまだ議論が不十分だとしている。EU委員会の提案は、遺伝子組み換えの作物が、未知のDNAを含まない限り、許可の審査を行うというもので、審査に合格したものは在来の作物と同様に栽培、販売が認められるとされる。EU委員会は決定を2024年6月にも行いたい考えで、ヨーロッパ会議の環境委員会と農業委員会が既に審議を始めており、実現は現実的だと考えられている。議会分科会のCouncil Working Party on Genetic Resources and Innovation in Agricultureも集中的な審議を始めており、年内に更に4回の会合を持つとしている。EU加盟国に取り囲まれている小国、スイスにとってEUとの同時の決定は望ましいもので、2025年にモラトリウムが期限切れになることと併せて、早期の決定は意義あるものだと考えられる。2023-11-02遺伝子操作EU委員会Council Working Party on Genetic Resources and Innovation in Agriculture
連邦議会選挙
今日行われた連邦議会、大小両院の議員選挙で、調査会社Gfs.bernによると、大院Nationalratでは最大会派の右派ポピュリストSVPが予想を上回る得票の伸びを見せ、8議席を追加し、61議席に達することになると見られる。第二勢力のSP社会民主党は僅かに票を伸ばし、1議席増の40議席となる見込みだ。一方、4年前の選挙で大きく伸びた環境政党、緑の党と緑のリベラル党はともに後退し、それぞれ6と5議席を失い、22議席、11議席となる。第三勢力の座を巡って激しく競うカトリック中道右派のMitteは2議席を伸ばし、経済政党FDPを1議席差で追い越すと見られる。2議席を持っていた労働連帯PdA/Sol.は議会から消えることになる。定員46の国会小院の州代議会では最大会派Mitteが現時点では9議席で同数のFDPと並んでいる。絶対多数票獲得が当選の条件のために、今日の投票で決まらなかった19議席は決選投票に持ち込まれる。同時に行われた各州の住民投票では、Uri州ではいわゆるエネルギー法が承認された。これは可能な限り少ないエネルギーで冷暖房が出来る建築を義務つけるもので、新築だけでなく既存の建築物も基準に沿って改築することが求められる。新築の場合は石油やガスを使う冷暖房設備は禁止される。2023-10-22Gfs.bernSVPMitte
秋?!
ヨーロッパでは一昨日、天気が変わり、一気に秋となったが、スイスでも標高1300mの地点で初雪が観測された。農家は冬の備えに忙しくなるが、公共放送SRFの天気予報ではこれは10月としては普通の気候で、温かさはまた戻ってきて、週の半ばにはフェーン現象の影響のあるところでは気温は22、23度まで上がり、夏日となる可能性もあると予報している。一方、アルプスの南、Ticinoでは雨が降り続いている。2023-10-16SRFTicino
新見学者センターCern
ジュネーヴのCern欧州原子核研究機構は新しい見学者センターを開設した。Science Gatewayという名称で、興味をそそり、批判的な考え方を促進する目論見だ。開所式に参加した連邦大臣Alain Bersetは、科学は持続的な未来への鍵だと話し、Cern総裁で物理学者のFabiola Gianottiもそれを強調した。センターは年間最大50万人の見学者を受け入れることが出来るとされ、透明な橋で結ばれた巨大な筒型の建物は、地下の27㎞の実験装置を想像させる。分子加速実験設備は14億年前と考えられる宇宙の誕生時の状態を探る目的を持ち、ほぼ光速で分子をぶつけ合う瞬間を観測する。2023-10-12CernScience GatewayFabiola Gianotti
ジャガイモにも暑すぎた
今年の夏はスイスでも記録的な高気温となったが、農業ではその恩恵を受ける作物と損害を受ける作物で明暗が分かれた。最も恩恵を受けたのはワイン葡萄で、記録的な品質のブドウが収穫され、最良のワインの年の一つになる。一方、ジャガイモは収量が少なく、小さなものが多いため、農家の収入は減ると見られる。今後もジャガイモの栽培を続けるためには、高温に適した種を選ぶ必要がある。連邦の農業試験機関AgroscopeのPatrice de Werraは、ジャガイモ農家の終わりはゆっくりと近づいていると、この3年間続く不作による大きな損失について話す。定説では5年間に3または4年の豊作の年があることで農業は立ち行くとされ、今後3年間は豊作であることが必要だが、気候予測はそうは言っていないと説明する。対策には二つあり、盛夏にスプリンクラーで潅水することが一つだが、高温による蒸発はその効果を小さくする。ジャガイモは30度以上になると芋をつくらないため、品種を高温と乾燥に強いものに変えることが第二の対策だが、病害に対する耐性も考慮する必要があり、発見と改良には長い時間がかかる。また食品工業向けに加工に適した品種を開発する必要もある。農家もジャガイモ栽培を続けるために努力を投資を続けているが、80品種程あるジャガイモのどれを選ぶかは難しい課題となっている。ジャガイモは高温を好まないという事実を認識することがまず必要で、200年後にもまだスイスでジャガイモを育てることが出来るかと問わなければならない。2023-10-12Swiss Wine PromotionSwissPatatAgroscope
Olma開幕
東スイス最大そして農業関係ではスイス最大の見本市Olmaが今年もSt. Gallenで開幕した。1943年に始められた見本市はコロナの年2020年を唯一の例外として毎年、開催されている。今年は同地方出身の連邦大臣Karin Keller-Sutterが開幕に出席し、Olmaはカレンダーの定位置を占めており、東スイスが誇りにすることが正当なイヴェントだ、と挨拶した。今年のモット―は「町が村と出会う」で、今年のゲスト州は47年前以来3度目のチューリヒだ。2004年までは農業と乳業の見本市と呼ばれていたが、その年の入場者数が現在も記録として残っている。チューリヒ州は160本の木と灌木でチューリヒ人の庭の家族として生活と経済の立地をアピールする。見本市協会会長のChristian KünzliはラヂオSRF1に、コロナ危機がひとまず終わっての開催について、今年は多くの訪問者が見込まれ、BernとLuzernに並ぶ大規模見本市は非常に良い数字を出しており、中小の催しも肯定的な見込みが立っていると話した。コロナ危機のシャットダウンの3日前に任命されたOlmaの支配人Christine Boltは今でも危機態勢にある。見本市会場は空のまま、数か月を過ごし、経済的な困難は厳しかった。高速道路を跨ぐ会場の建設の資金4000万フランに目途は立たず、救済策として協同組合を株式企業とした。市と州が援助したのはもとより、個人、見本市展示者、企業もせっせと株式を買ったが、まだ1000万フランが不足している。Boltはこれからも宣伝に駆け回らなくてはならない。2023-10-12OlmaKarin Keller-SutterChristine Bolt
賃上げ、Migros
スイス最大の雇用者で小売り最大手のMigrosが2.1から2.5%の賃上げを発表した。2.2%以下の賃上げ率の従業員には一時金が支払われるとしている。接客業界に所属する企業は昨年の労働組合との賃金交渉に沿って最低賃金と指標給料を引きあげなければならないことになっているが、これは既に行われているとMigrosでは発表している。賃上げは交渉相手との建設的な話し合いの結果だと発表はしているが、全国的なMigros従業員の組織LaKo、商業労働組合、精肉労働組合はこの賃上に満足を表明している。Migrosは今年も既に2.0から2.8%の賃上げを行ったが、物価上昇率が2.8%であることから、さらなる賃上げをする必要が出てきた。賃上げによって営業コストが上がったために、今年の企業利益は3分の1減少した。ETH連邦工科大学チューリヒの景気研究所では今年の物価上昇率を2.2%と予測している。2023-09-29Kunuku Migros 職務別給与ETH
聖職者の性的濫用
カトリック教会の聖職者による性的濫用は世界的に問題となっているが、スイスでもそれが広く行われていることが報道され、教会ではその対策に苦慮している。混乱は大きく、その調査を誰がするかについてだけでももまだ意見が分かれている。この問題についてはカトリック教会内では既に長く知られており、訴えも起こされているが、教会はこれまでそれを抑え込むことに努めるばかりだった。最近70年間だけでも1000件以上の事例が明らかになっており、神学者で教会統計に携わるUrs Winterは離脱者が増えていると証言する。被害者の39%は女性、56%が男性で、5%前後で性別は不明で、4分の3が未成年者だ。被疑者のほとんどが男性で、これまでは多くの事例が解明されず、隠蔽され、ごまかされ、無視されてきた。ローマ・カトリック教会の依頼によって行われ、各司教区の資料が初めて調べられたUniversität Zürichチューリヒ大学の先行調査ではじめて具体的な事例数が明らかになった。匿名のG.A.として発表されている性的濫用の前歴がある司祭の例では教会の責任者の対応の稚拙さが指摘されている。彼による濫用は1950年代以来、少なくとも67人の子供に対して行われたとされており、二度の刑罰も受けていた。教会はそれに対して教会内での彼の雇用に尽力し、複数の教会で聖職者としての職を得ていた。また、被害者を救う代わりに、口止め金を払うなどしていた。司教区はこのような場合、ローマの教会会議に報告する義務があるが、慣行としてこれは行われないことになっている。先行調査はまた、カトリック教会の核心的、感情的な問題、聖職者の独身義務を含む性道徳、懺悔と赦しなどのテーマが性的濫用の予防の妨げになっていると分析している。また、スイスでの調査が外国に比べて大幅に遅く、氷山の一角が明らかになったばかりだと指摘している。調査は2024年から2026年にかけて続けられることになっている。2023-09-23Urs WinterUniversität ZürichKatholisch.de
工事一時中止、Gotthard第二トンネル
9月12日にに起きた中間天井板の崩落のために交通止めとなっていたGotthard自動車トンネルが15日に復旧したのも束の間、建設中の第二トンネルの工事中止が報道された。工事の振動によって第一トンネルの天井板にひびが入った可能性があると連邦道路局Astraや専門家は説明している。損傷現場に最も近い箇所の工事は中止されるが、掘削工事は続けられると発表されている。今後、工事によって小さな地震が起きた可能性について調査がなされる。2029年の開通が予定されているトンネルへの時間的、経済的な影響はないと発表されている。2023-09-17GotthardトンネルAstra
連邦憲法175年
9月12日、スイス連邦の憲法は175回目の誕生日を迎え、国会議場で音楽、講演、お笑い芸などを交えて祝われた。国会大院Nationalrat/Conseile national議長、Martin Candinasの開始の鐘が鳴り終わるのと同時にお笑いコンビGilbert&Olegが儀式の司会を始めた。国会両院の議員の他、地方政府の代表、各国の大使、近隣各国の政府代表者など、更に、連邦憲法裁判所の総裁も出席した。議場の中央に設えられたガラスケースの中には、いつもは連邦所蔵館にある憲法の原本が置かれ、175年間、守られてきた連邦の統一と民主主義が称えられた。2023-09-17Nationalrat/Conseile nationalGilbert & OlegConstituziun federala
外国人抜きでは生きられない
資源の乏しいスイスは豊富なノウハウによって生きることを強いられているが、そのイノヴェーションの多くの部分が外国人によってなされていることは一般には認識されていない。1970年に外国人の人口に占める割合を10%に制限する発議がなされ、良心と経済的興味の狭間で大きな論争となった。結局、この発議は否決されたが、移民問題は今も残っている。シンクタンクAvenir Suisseの最近の調査によると、外国人または外国出身者のイノヴェーションへの貢献は人口比よりも大きい。今日、典型的なスイス企業と考えられているもので外国人によって起業されたものは少なくない。Nestlé, Roche, Novartis, ABB, Lonza, SikaやSwiss Reなどがその代表例だ。外国人が全人口に占める割合は26%だが、就業者では32%だ。起業数では外国人によるものが40%近く、スタートアップでは50%、企業価値が10憶ドルを超える企業の78%が外国人によって起こされている。更に、特許出願数に基づくと、発明の37%、研究の52%が外国人によるものだ。教育機関でも教授の50%、数学、情報科学、自然科学、技術の学位所得者の74%が外国人だ。統計はスイス国籍を持たない人だけを対象としており、移民の背景を持つ人は数えられていない。経済歴史学者のBernhard Ruetzは、スイスのような小さな経済では外国人は非常に重要で、他の国とは違い、資格のある移民が多いと話す。高等教育機関会議の総裁Astrid Epineyは、あらゆる国が国際的な交流を必要としており、特にスイスは国の規模に比べて多くの優良な教育機関を有していることで、その必要性は高いと考える。Avenir Suisseは第三国(EUやユーロ経済圏以外)からの高学歴の人への門戸をより広げることを推奨しており、Start-up-Visaの導入を提案している。政治も既に長く、移民法の適合化を議論しているが、なかなか先に進まない。2023-09-15Avenir SuisseBernhard RuetzAstrid Epiney
現状満足、将来不安
世論調査会社GFS.Bernと民主主義シンクタンクPro Futurisの6000人を対象とした抽出調査で、直接民主制を支持する意見が強かったが、未来について悲観的な見方も多かった。ポピュリズムを行うのは他の陣営だというのが何れの立場から見ても根底にある考え方だ。政治的に良い考え方よりも声高に扇動して、注目を集めることが優先されていると感じる人が多い。社会の多極化も多くの人が感じており、妥協することのできない小さなグループの対立が分断を作り出しており、立場を超えた多数派の妥協が難しくなっていると考える人が多い。このような意見を持つ人は保守右翼SVPの支持者では70%と最も多いが、中道政党の支持者でも64%となっている。左翼政党支持者ではSPが59%、緑の党が56%となっている。GFS.Bernの共同責任者Urs Bieriは調査がスイス国籍を持たない人、14才以上の未成年者、注目されることの少ない低学歴の人も対象としており、新しい試みだと説明する。調査は連邦憲法制定175周年を視野に入れて行われ、200周年に向けての正しい道を探ることを主要な目的として行われた。政治的右翼でも85%が民主政治に参画できることを肯定的に捉えており、少数派の参画可能性が81%、連邦主義についても71%で、肯定的な意見が大多数となった。このように政治制度には肯定的だが、実際の政治には48%が不満を表明している。回答者の10%程度が支持する政党はないと答えており、そのうち74%が政治に不満を持っている。SVP支持者では3分の2、SPと緑の党の支持者の3分の1が不満だとしている。右派支持者の90%が政治に関心があるとしているが、政治の解決策を提示する能力が弱いと考えており、80%が問題解決能力に疑問を呈している。政治の結果については59%が好意的に見ている。71%がポピュリズムが支配的だと感じている。今後、年金制度や気候変動について政治が間違った対応をすると危惧しているのは48%だ。貧富の差についての不満は大きいが、機会平等が実現することは不可能だと感じている。この意見は経済政党FDP支持者を除き、左右を問わず多数派となっている。ロビイストの力が強く、富裕者や経済界の政治への影響が大きいと緑の党、SP、SVP支持者は認めている。SVP支持者の85%はメディアの独立性は信じていない。回答者の多数は障碍者の政治への参加についての態度をはっきりできないでおり、42%は現状を肯定的に見ている。2022年のスイス在住者の外国人の率が26%だったが、52%がスイス国籍を持たない人の投票権に否定的だ。現状への安心感や変革の可能性を感じておらず、スイスの政治制度が良い方向に変わると考えている人は4分の1だ。全体的には現状に満足している人が多数派だが、将来については不安を感じてい人が多数派だが、国民投票や発議権により自らの手で政治を変えることが出来るのは良いことだと考える人も多数派だ。2023-09-06GFS.BernPro FuturisSVP
消えるCredit Suisse
Credit Suisseの買収合併の処理のためにUBSのCEOとして呼び戻されたSergio Ermottiは二つの世界的規模の銀行を一つにするという、世界的に見ても例のない大きな使命を負わされている。Credit Suisseの状態は思わしくなく、スキャンダル銀行と言われたUBSへの信頼を取り戻した業績のあるErmottiがこの使命を果たせる唯一の人物だと判断された形だ。彼はCredit Suisseの存続をその名称とともに終わらせることを決意した。それに伴い、3000の職場が失われる。新聞NZZの経済編集者André Müllerは、これは小さな歩幅の政策だと解釈する。この決定によって好意をもって受け入れられると考えられる。Ermottiの仕事はこれまでうまく行っており、それを裏付けるように、UBSの業績データは向上している。2023-09-06Credit SuisseUBSSergio Ermotti
射撃訓練義務
スイスでは射撃訓練が義務で、今年はおよそ12万人が該当する。8月31日が最終期日で、機会を逃した人は後日、訓練を行わなければならなず、義務を果たさなかった人には1000フランまでの罰金が課される。訓練は軍ではなく、民間の射撃協会で行われ、連邦から補償金が払われる。訓練の目的は武器を扱う際の安全性で、実際の場合の命中率を高めることも勿論、目標だ。命中率が合格点に達しなかった場合は、自費で弾薬を払い、やり直さなければならない。一発の価格は0.5フランだ。義務射撃の前に弾丸を買い練習する人もいる。ウクライナ戦争で、訓練に使われるのと同じような銃で、実際に戦いが行われていることについて実感を持つ人は増えてはいないという感触を射撃協会では持っている。訓練は射撃協会にとっては重要な収入源で、1700の長銃協会と500のピストル協会が訓練を受け持っている。義務射撃訓練は折に触れて政治左翼の批判の標的になっているが、義務でなくなった場合には訓練を受ける人は減ると考えられるが、意義があると考える人は少なくない。2023-09-01スイス軍Compagnie des Mousquetairestvsvizzera.it
農家、後継者不在
Ticino州では最近の20年間に450の農家が廃業した。2000年に比べておよそ30%の減少だ。理由は何処も同じ、農家の高齢化と後継者の不在だ。年金年齢を過ぎた農家には連邦からの助成金が打ち切られ、農家の経営は不可能になる。農家が閉じることは地域に様々な問題が残ることを意味する。経済的だけではなく、放牧地の管理も大きな問題で、一年のうち8か月を過ごしていた数十頭の家畜が入らなくなった草地には森が張り出してくる。ベルンにある小農家の団体には廃業したい農家と農業を始めたい人が登録しており、現在、その数は30と150だ。この数字だけを見ると希望がありそうに見えるが、全スイスで廃業する農家は実際には毎年、500前後あり、大規模農家が廃業した小農家を吸収しているのが現状だと責任者のMirjam Bühlerは説明する。農地の規模は現在、平均20ヘクタールで1980年のほぼ倍になっている。この危機的な状況の中にも希望を持たせる例もある。Cattoで昨年、16頭の乳牛を飼育する30ヘクタールの農家を受け継いだ28才のFilippo Buttiは6年間の試験的契約を結んだ。本契約はその後に行われる。農家を引き受けるにあたり、州からは7万フランの助成金が払われ、20万フランの初期投資に大きな助けになった。連邦からも助成はあるが、これは後に返済しなければならない。このようにスタートがうまく行くのはまだ例外で、小農家の経営の不安定さは今後も問題であり続ける。2023-09-01Ticino小農家の団体Filippo Butti
Juraの家畜見本市
Jura州のReconvilierで9月3日と4日に開かれるfoire de Chaindonは400年の歴史を持つ家畜見本市で、牛馬から鶏まであらゆる家畜類を扱う。初日はトラクターのジムカーナ、農機具展示会、各種のパフォーマンスなどが行われた後、教会で開会が宣言され、この見本市の歴史について歴史学者Laurence Martiが著した本の紹介が行われ、さらに豚のパレード、熱気球の処女飛行その他の多数のプログラムが予定されている。二日目は朝5時30分に見本市が開会され、500近い出展者が農業機械を披露し、牛と馬の市、小動物の市が開かれ、7時には小学校でのパフォーマンス、高校での州警察のイヴェントが行われ、8時から本格的に見本市が開かれる。2023-09-01foire de ChaindonLe MatinLaurence Marti
記録続出の夏
民間気象情報会社Meteonewsによると今年、2023年の夏は観測開始以来、3番目に暑い夏になる。前回の記録的な高温の夏、2003年には8月前半に高気温が続いたが、今年は8月12日に始まった。 GeneveとNyon/Changinsでは最高気温が30度を超す日が15日、続いた。最高気温が観測されたのは24日で、20の観測地点で史上最高気温が記録され、Geneveで最高の39.3度となった。連邦気候局Meteoschweizによるとこれはアルプス北側で観測された最高気温だ。6月にも高気温の日があり、Zürich-Klotenで36.5度が観測された。スイス全国の平均では1864年に観測が始められて以来、5番目に暑い夏(6月から8月)で、1991–2020年の平均を1.9度上回った。0度高度も記録が更新され、8月20日から21日にかけての観測では海抜5298mとなり、2022年7月25日の5184mをはっきりと上回った。局地的な大雨はあったが、降水量は平年を下回った。しかし、この数日に予想される激しい雨により差は小さくなると考えられる。6月は特に降水量が少なく、1991–2020年の平均の50%を下回り、30%を切った地域もある。85の観測地点では観測史上最低の6月の降水量となった。7月は多くの地方で降雨量が平均を上回ったが、ジュラ山脈沿いやレマン湖地方では30から40%の少雨の月となった。風速でも記録が更新され、6月22日にレマン湖岸のSt-Prexで時速135㎞が記録された。また、La Chaux-de-Fondsでは7月24日に時速217㎞のDownburstと見られる強い風のために死傷者がでて、家屋、樹木、送電塔などに大きな被害がでた。夏の終わりまでまだ数日あるが、日照時間は大多数の地方で長年平均を既に上回っているが、2022年の記録は下回りそうだ。2023-08-26MeteonewsNyon/ChanginsSt-Prex
RolexがBucherer買収
世界最大の高級時計企業Rolexが世界最大の高級時計宝飾チェーンBuchererを買収すると発表した。買収価格は40から50億フランと推測される。RolexもBuchererも情報公開に積極的ではないが、今回も詳細なデータは発表していない。両企業の関係は以前から緊密であり、販売網を持たないRolexにとって世界に100店舗を持つ家族企業Buchererを傘下に持つことには大きな意味があると評価されている。会社所有者Jörg Buchererは現在84才で、子供はおらず、後継者となる近親者もいないことから、売却を決心したものと見られる。Luzernに本店を持つBuchererの名前は変えないとされているが、Rolexはその拡充に大きな投資をすると見られている。最終購買者と直接の関係を持つことで、ブランドの地位を確かなものにすることを狙っていると考えられ、店舗の拡大によって、姉妹ブランドTudorを含むブランドの存在感を強めようとすると見られる。また、これまで販売店に払っていたマージンを倹約することにもなる。2023-08-26RolexBucherer
Gotthardトンネル再開
8月10日の脱線事故のために通行不能になっていたGotthard鉄道トンネルの一線が8月23日に貨物列車にかぎり再開した。暫定的に一日100本ほどの貨物列車が通行するとされている。旅客列車は、避難経路の大幅な見直しが必要なため、運行は停止されたままになる。順調に行けば、9月29日に再開するとされている。2023-08-26Gotthard鉄道トンネル
新しい祝日?
国民の祝日8月1日が花火事故もなく終わったが、新たな祝日を設けるべきだという議論が起こっている。テーマは現行憲法の発効日の9月12日で、今年は1848年の制定から175年目の記念の年だ。公式記念ウェブサイトでは「信じられない1848年の物語」として喧伝しているが、大方の反応は大きくいない。8月1日が国民の祝日として制定されたのは19世紀末に、スイス核州が協定を結んだとされる1291年8月1日を根拠として、その600年目の記念の年に民主勢力エリートが力を込めたものだ。制定年が比較的新しいことから、9月12日をその代替えにすべきだという考えが出てきたが、両方を祝日とすべきだという意見もあり、今後、長く議論されると見られる。2023-08-26国民の祝日スイス歴史百科
アルバニア語に抜かれるスイスドイツ語
半年ほど前からスイスではスイスドイツ語の音楽よりもアルバニア語の音楽が流れることが多くなっている。ポップ音楽界では世界的にも多言語化しているとUSAの調査会社Luminateも報告している。インターネットとストリーミングの普及でポップ音楽も多様化が進み、英語の音楽の占める割合は2021年の67%から56%まで下がっている。スイスではストリーミングで流される英語の歌の割合は61%で、ドイツ標準語は15%、フランス語 8%、スペイン語4%、イタリア語2%となっている。スイスドイツ語は昨年、まだ第6位にあったが、今年はアルバニア語の1.2%に抜かれた。実数では750万ストリーミングで、まだまだ多い。国際的に最も成功しているスイス人歌手Iliraは、アルバニアやコソヴォではまだ音楽工業が整っておらず、多くのミュージシャンはYouTubeやソーシャルメディアで流すことが多いと説明する。また、Spotifyがスイスには編集部が無く、ドイツからのプレイリストが使われていることがスイスドイツ語の歌が国際的に広がらない原因だと見られる。一方、アルバニア人社会は全世界に広がっており、Dua Lipa, Bebe Rexha, Ava Max、Era Istrefiなどの名前が英語やアルバニア語の歌で世界的に知られるようになった。アルバニアの音楽は西ヨーロッパとトルコの影響を強く受けており、アルバニア系のスイスの方言ラッパーEAZは、若い人だけではなく、年配の人も母国語の歌を聴くことに目覚めて来たと考えている。アルバニア―スイスのコメディショーFol Shqip Showの司会者Marash Pulajは、なぜそうなのかは分からないが、アルバニア人社会には多くの才能ある人がいると話す。彼はしかし、国籍や人種には関係なく、何語で歌われているかは大きな要素ではないと考えている。2023-08-14LuminateIliraEAZ
Freiberger馬のパレード
先週末、Jura州のSaignelégierに5万人の馬ファンが集まった。今回、118回目となるとされるイヴェントは近年、国内外で知られるようになり、外国からの訪問者も少なくなかった。最高潮となる日曜日には地域産の馬400頭が練り歩いた。馬の種はFreibergerと呼ばれるものだけで、ゲスト州のWallisからも100頭の馬と600人が参加した。行列だけでなく、馬の品評会や団体馬術競技も行われた。同じ州のLes Breuleuxに住む連邦大臣のElisabeth Baume-Schneiderも参加して、挨拶の中でスイス軍が毎年、30頭のFreiberger種馬を購入していることを明かし、従順で我慢強く、頭が良く持久力に優れた馬は軍の最良のメンバーだと司法担当の連邦大臣は称えた。ゲストのWallis州執行議員Christophe Darbellayは彼女にWallis州特産の黒鼻羊をプレゼントした。羊は特産の白ワインに因んでPetite Arvineと名付けられているとDarbellayは話したが、Baume-Schneiderはこの若い動物がJura州の名産蒸留酒に因みPetite Damassineと名前を変えられると語った。Jura州政府総裁Jacques Gerberは連邦が農業予算を2%削ることを挙げ、連邦大臣に苦言を呈した。2023-08-14SRFFreibergerJacques Gerber
凶暴な強風
Neuchatel州のLa Chaux-de-Fondsを24日、凶暴な暴風が襲い、大きな被害がでた。時速217kmの強風は一人の死亡者を出し、40人以上を負傷させ、多数の家屋の屋根を吹き飛ばし、バス停留所、樹木や送電塔を根こそぎにした。4000以上の建物に被害が出て、損害総額は9千万フランと見積もられると州の保険防災機関ECAPの長Jean-Michel Brunnerは記者会見で発表した。375人体制の救助活動が行われ、事態は制御下にあるとされている。この地方の主要な産業である時計、精密時計の事業所にも被害が出ており、森林の被害も1600ヘクタールに及んでいる。電力や通信網はまだ被害の詳細が把握されておらず、まだ感電の危険が残っているとされている。この地方で竜巻が起きた記録はなく、今回の現象もいわゆるDownburstsだと考えられている。2023-07-26La Chaux-de-FondsECAPDownbursts
電子高速道路シール
スイスの高速道路を利用するには40フランを払って入手したシールをフロントグラスに張り付けなければならないが、この8月1日から電子シールが利用できるようになる。国内では郵便局などで、外国から入国する人は全ての国境検査所で入手できる。2023年のシールを既に貼っている人は2024年用を12月1日から入手できる。これまで検査は州警察の抽出検査と監視カメラで行われていたが、電子シールはナンバー、自動車のタイプ、車両登録番号が登録されており、警察は専用アプリを使い検査を行う。張り付けるのが好きな人のためにはプラスティックシールも存続する。2023-07-26シール
新しい無政府主義
スイス時計工業の集積地のほぼ真ん中に位置する町Saint-Imierはスイスで唯一の無政府主義労働運動の会議が行われたところだ。Karl Marxの中央集権的な方針に疑問を感じていたロシアの革命家ミハイル・バクーニンはSaint-Imierで1872年に14人の同志とともに反権威インターナショナルを設立した。その150年の記念の年となる昨年、大規模な集会が計画されていたが、コロナ危機などの影響で今年に順延された。今、その集会がこの日曜日までの三日間、開かれ、ヨーロッパをはじめとする全世界から約3000人が参加した。Anarchy 23と名付けられたこのイヴェントの参加者にはキャンプ場が宿泊場として解放され、二つの厨房と四つのバーが協力しており、利用者が決める価格を払う方法で飲食する。また、無料の託児所も開設されており、反体制らしい装いの人々の需要に応えている。150年間には反権力運動自体も大きく変わり、参加しているGeneveの作家、68年世代のDaniel de Rouletは自らをオールドアナルヒョと呼び、この新しい無政府思想にこれほど多くの若い人が惹かれていることに驚きを隠さない。特に新しいのは動物に対する考え方で、ジェンダーのテーマと同様に、考え直しが行われなければならないと彼らは考えている。2023-07-24Anarchy 23ミハイル・バクーニンDaniel de Roulet
山火事まだ鎮火せず
この月曜日の午後にWallis/Valais州Bitschで起きた山火事はまだ鎮圧されていない。高温と乾燥により乾ききった山林では強い風のために瞬く間に火が広まった。ヘリコプター運行会社Air Zermattの3機と軍のSuper-Puma2機のヘリコプターと150人の消防士が出動して消火に任っているが、これまで100ヘクタールの山林が焼失し、約50人が避難した。鎮火はしていないが、事態は落ち着いたとして、一部の地区には住民が戻っている。山地の急斜面での消火活動は困難で、専門家が召集された。昨日火曜日の夜に雨が降ったが、量は僅かで、火の勢いを抑える効果はなかった。火の広がる可能性はまだあり、数日、数週間は戦いが続くと見られる。2023-07-19BitschSuper-PumaAir Zermatt