キリストの苦難を偲ぶ断食の期間は灰の水曜日から復活祭の土曜日までの40日とされていますが、これには日曜日は含まれません。最近は健康のために断食をする人も増えていますが、これを受難の期間と組み合わせるキリスト者もあります。 また、ある程度信仰心の強い人は受難の金曜日だけは食を絶つようですが、一般のキリスト者はこの日には肉を食べないというのが普通のようです。 その場合、スペインやポーランドなどのカトリックの伝統の強いところでは魚を食べることが多いようです。 また、その前日の木曜日はドイツ語圏では緑の木曜日と呼ばれ、ホウレン草を食べるのが慣わしになっています。
卵を食べるのは春を祝う最も古い伝統行事の中で 「新しい命」の同義語です。 キリスト者たちはこの古い信仰に基ずき卵をキリストのシンボルとして、聖別された卵を小篭に入れて信者たちに配ることを始めました。
一方、ラム肉を食べることは 「神の小羊」イエスの苦難を象徴します。
それで、復活祭の午餐には卵が、前菜や
復活祭の塩味のケーキ の中に、
サラダの中にまたはデザートの中に出てきます。 ラム肉は数え切れない程の
料理法で旬の野菜や付け合わせと共に再び花開く自然への敬意として供されます。
また復活祭が近づくとイタリアでは
Colomba pasquale 復活祭の鳩 が、アルプスの北では
チョコレートの兎が菓子店のショーウィンドーやスーパーの売り場を飾ります。 こうして、カーニヴァルが終わってから復活祭までの間の断食の期間に多かれ少なかれ空腹を抱えていたキリスト教信者たちは、春の訪れと共に再び思い切り食べられる喜びも味わうのです。