スイスの愉しみ、ニュースと生活密着情報
sitemap.jpg スイスニュース2022/23
死の前の生
バーゼルにある介護ホテルSt. Johannの前には大きな黒板が立っていて、大きな字でBefore I die I want to ...と書かれている。黒板の前で立ち止まらない人はほとんどいなく、ちょっと考える人が多く、中には書き込みをする人もいる。日ごろは心の中に仕舞っているが、誰もが願いや希望を持っていることがここでは分かる。人生は終わるということを括弧でくくることは誰にもできない、だから死の前の人生についての議論を公開ですることがこのプロジェクトの目的だと施設の支配人André Gyrは話す。書き込みは様々だが、その核心は人間関係であることが殆どだ。この街区に住む人だけでなく施設の住人75人も興味を引き起こし、カフェテリアでも人生のうつろいやすさと死についての会話が多くなったという。大量の書き込みは定期的に消されるが、これもうつろい易さの象徴だとGyrは説明する。開業60周年の記念として行われているプロジェクトだが、介護チームの責任者Manuel Hammannは、近年、入居者の年齢が上がっていると話す。非常に遅く、時には重たい診断が下された後に入居する人も多くなった。この傾向はコロナ危機でよりはっきりとしてきた。長い入居希望リストの時代は終わり、空きベッドも目立つようになり、施設は赤字経営を続けている。そのためにも新しい道を見つけることが必要で、地域住民と施設入居者の接触の場を作ることで、重たいテーマであっても興味を広げたいとGyrは話す。プロジェクトは1年間続く予定だ。2022-10-17
St. Johann - 介護ホテルSt. Johann - SRF
コロナ秋の波は確実に来る
コロナウイルスのテストを受けるのは最大に見積もっても症状のある人の4人に一人だと見られており、実数はブラックボックスとなっている。検査所まで出かけるのは軽症の人にとっては優先順位が低い。最盛期には毎日、10万人前後が検査を受けていたが、現在は約1万人になっている。感染拡大状況をある程度でも把握するにはあまりに少ない検査数だ。一方、今年の1月から110の浄水場でコロナウイルスの分析が定期的に行われており、より正確な感染拡大状況を把握する手段となっている。公共放送SRFの調べによると、8月末からウイルスの濃度は高まり始めており、4つの浄水場では高まり方が強い。連邦コロナウイルス対策タスクフォースの代表で連邦工科大学チューリヒの教授Tanja Stadlerは、テストでの陽性数が5000の場合、実数は2万から3万だと推算し、秋の波が来るのは確実だと話す。しかし、状況は2020年とは違い、予防接種を受けた人の重症化のリスクは強く減っており、感染者数が大きく増えることは受け入れられる。しかしその一方、感染者が増えることは治療を必要とする人も増えることを意味し、長期の後遺症の可能性も大きくなると説明する。2022-10-17
Tanja Stadler - -
記録的な低失業率
経済政策の執行機関Seco国家経済事務局は9月の失業率を発表したが、1.9%という記録的な低さだ。季節要素調整後は2.1%で前月と変わりがなかった。平年ならば、観光シーズンが終わり、建設工事が一段落する9月には失業率が上がるものだが、今年は8月よりも失業者数が1846減った。失業率が2.6%だった前年同月比ではなんと30768減って、20年来の低い失業率となった。失業者数は89526で、2001年10月に次ぐ少なさだ。情報配給会社AWPによるとエコノミストたちはこのような数字を予想しており、企業にとっては適切な人材を見つけることが極端に難しくなっているという。求職者数も当然少なくなり、労働市場は干あがっている状態だ。各地の就職斡旋機関RAV/ORPに登録されている求職者数は9月、1995減り、159399となったが、求人数も1580増えて、69842となった。2019年7月1日から失業率が5%を超す業界には求人募集を届け出ることが義務となっているが、現在のところはホテル、飲食、建設業界に限られている。コロナ危機に伴う、失業者を抑えるための手段となってきた時短は9月の時点で1992例だけで、時短を導入している企業も348と、ほぼ半減した。ただし、時短についての報告は遅れて行われるため、現時点での状況は分からない。2022-10-08
Seco - AWP - RAV/ORP
連邦スイス相撲祭備品売り切れ
8月末に行われたEidgenössisches Schwing- und Älplerfest連邦スイス相撲とアルプス山人祭りの会場で使われた備品が売りに出された。開催地Prattelnの工業倉庫に大量に保管されていたソファー、旗、メガフォーン、ベンチ、テーブル、ケーブルリール、プラスティックのごみ缶などが放出されたが、変わったものを手に入れて喜ぶ人も多い。祭りの頭文字ESAFが印刷されたビスケット缶を娘のために買う人、順路案内のために通路に敷かれていたシートを買い、それでバッグを作るという人などもあった。紺色のプラスティックごみ缶は約1100個あったが、ケーブルリールなどとともにあっという間に売り切れたと祭りの支配人Matthias Hubeliは話す。また、(未使用の)トイレブラシも人気で、早々に売り切れた。今週初めから会場は満員となり、何も廃棄するものが無いという目標を達成したことをHubeliは喜ぶが、準備開始から3年間、関わって来た祭りが終わったという寂しさも感じると話す。彼自身は多目的ナイフなどを確保したという。2022-10-07
ESAF - Pratteln - Matthias Hubeli
ヘロイン投与条件緩和継続
コロナウイルス感染蔓延に伴い、ヘロイン依存症の人への投与条件が緩和されたが、今後も緩和が続けられる。依存症の人は毎日2回、センターに出かけなければならないことになっているが、25のセンターに出かけるのは多くの人にとって負担だ。また、コロナウイルス感染予防のためにも外出を抑えることが求められていたため、自己コントロールが出来る人には7日分のヘロイン錠剤が渡されることになった。また、老人ホーム、病院、刑務所などもヘロインの投与が出来るようななり、高齢者や看護の必要な人にとっては負担の軽減となった。2年間続けられた条件緩和だが、連邦内閣は結果を良好だと捉え、問題もほとんど起こらなかったことから、今後も続けられることになった。Paracelsus Recoveryの精神科科長Thilo Beckによると依存症の人の99%が生活の質が向上したと感じており、内閣は覚醒剤依存条例の改正をする考えだ。時間的な余裕ができることで職業生活との折り合いも格段に良くなった。ヘロイン応用治療のRita Aschwandenも同様にポジティブな経験をしたと語る。ただ、リスクはヘロインが転売されることだが、医師たちはそのようなことをする人は見分けがつき、まとめてヘロインを渡すことはないと確約している。2022-10-05
ヘロイン計画 - Thilo Beck - ヘロイン応用治療
コロナ予防接種シーズン
コロナウイルス感染確認数は大きく増えており、感染予防についての関心も膨らんでいる。人口の97%が抗体を持っているとされるが、その重症化予防効果は時間とともに下がるため、特に高齢者には2度目のブースターが勧められている。その他の人にもブースターはロングコビッドの予防に効果があるとされることから検討するべきだとされている。BAG連邦健康局が推奨しているのは16才以上の住民で、Ekif連邦予防接種問題委員会は特にリスクの大きい人たちに接種を勧めている。希望する人にはすべて無料で接種が行われ、最後の接種の4か月後からが最適だとされている。すべての州の指定された薬局、接種センター、病院、医院で受けることが出来る。Pfizer/Biontech、ModernaのmRNA予防接種剤と蛋白質予防接種剤Novavaxが使われる。連邦薬事機関Swissmedicは対オミクロンにも効果があるModernaの複効果予防接種剤を8月に認可しており、Pfizerは同様の接種剤の認可申請を二つ提出している。複効果予防接種剤が広く使われるまで待つ人が多いと見られるが、BAGは単、複効果予防接種はともに重症化を防ぐ効果があるとしている。Modernaの複効果予防接種剤は10月10日から他の接種剤と並んで提供される。今、感染確認と入院者数は大きく増えており、BAGは10月4日に一週間の感染確認数が25134となったと発表した。これは前週比50%の増加で、予防接種推奨の理由となるとされている。10月10日から多くの人が予防接種を受けると見られるが、昨年のような混み方にはならないと考えられる。2022-10-05
BAG - Ekif - Swissmedic
今日から払い込みはQRだけ
今日から従来の払い込み用紙は使えなくなり、QR払い込みに統一される。QRコードを使った払い込みは2年前から存在しており、スイス郵便のシステムは今日から旧払い込み用紙を読み込めなくなる。郵便局の窓口では毎月、6000前後の不備なQR払い込み用紙が持ち込まれ、払い込みが出来ない例が起きている。旧払い込み用紙や不備なQR払い込み用紙での振り込みをしなければならない人には直ちに発行者に連絡することが求められている。SIX Interbank ClearingのPatrick Grafは基本的には発行者‐払い込み請求者に責任があると説明する。QRコードをスキャンした後、正しいデータが画面に表示されているかを確かめることが推奨される。QRコードに並びテキストで印刷されていない場合はコードが不備だ。スイスでは様々な寄付を払い込みで行うことが多いが、寄付をしたい人は機関と寄付目的を郵便局員に申し出ると、必要な手続きを行うことが出来る。2022-10-01
払い込み用紙 - SIX Interbank Clearing -
二人のMaurer辞任
連邦大臣Ueli Maurerそして、国際赤十字総裁Peter Maurerがほぼ同時に辞任を表明した。農家の息子で計理士は14年、エリートで、キャリアを積んだ外交官は10年間の任務を終える。Ueli Maurerは防衛担当、後に財務担当の連邦大臣となり、最も目立った活動はコロナ危機の初期に政府保証つきの無利子融資を行う約束を一日で30の銀行から取り付けたことだ。Peter MaurerはMaliやNijeriaに個人融資によるリハビリテーションセンター設立のプロジェクトなどがある。彼は在任中に世界中で紛争が一つも解決せず、国際赤十字の年間予算が20億ドルにまで増えたことに遺憾の意を表した。Ueli Maurerは地方政治家として政治キャリを始め、最大政党SVPの総裁にまでなった。国民主義タカ派のめだつ党の中では穏健な政治家だ。連邦大臣の後任選びはプロセスが始まったばかりだが、国際赤十字総裁にはMirjana Spoljaric Eggerが就くことが決まっている。2022-10-01
Ueli Maurer - Peter Maurer - Mirjana Spoljaric Egger
記録的な氷河溶融
2022年、アルプスはかつてない速さで氷河を失った。雪の少ない冬と暑さの続いた夏で記録的な氷の溶解が起き、全体の容積の6%が消えたと計算されている。これまでの記録的な年は2003年だったが、今年はそれをはるかに超え、3立方キロメートルの氷が溶けた。これまでの常識では2%が極端な溶解だとされていたが、今年は小規模な氷河の後退が目立った。2022-09-28
SRF公共放送 - LeTemps新聞 - SwissInfo
太陽光攻勢につづき風力攻勢
SolothurnのJura山脈に4基のタービンの風力発電施設、Lausanne北の丘の上の8基のタービンを持つ施設の建設が予定されているが、連邦裁判所はこの二つを含む8の建設計画について、景観保護運動団体の訴えを退け、許可を与えた。今後、建築許可だけが必要で、連邦政府の電力逼迫対策が大きく動き出す。将来、建築許可も必要がなくなる見通しだ。国民議会の環境委員会は風力発電施設建設の条件から建設許可を削除する考えだ。風力発電促進団体Suisse Eoleの副会長で国民議会議員のPriska Wismerは、今、建設許可が出れば、再来年には風車を見ることが出来ると話す。建設許可が不要になれば、不服申し立ての理由も消えることになり、現在は制限なく何回でもできる不服申し立てが一回だけ可能になる。環境委員会は目立たない討議の末、19対1票でこの利用計画案法を可決した。国民保守のSVPを除くすべての政党が賛成した。SVP会派代表のThomas Aeschiは、これは疑わしい法案で、風の国ではないスイスで環境に大きな影響のある計画は慎重に行うべきだと話す。しかし、SVPの中にも電力源の迅速な確保に賛成する人が少なくなく、法案が水力発電所増設許可の障害を少なくする案と抱き合わせにするという戦術的な方法を採ったことで、はっきりと採択された。法案はさらに国会大院、小院で可決される必要がある。2022-09-28
Suisse Eole - Solothurn - Lausanne
医療保険金、大幅上昇
健康担当連邦大臣Alain Bersetと連邦健康局BAGの総裁Anne Lévyは記者会見を開き、2023年の医療保険金が6.6%上昇し、中央値は334.70フランになると発表した。この大幅上昇の最大の原因はコロナウイルスで、2013-2018には平均3.8%の上昇だったが、それ以後は1.5%で、コストの上昇をカバーするには不足していたと説明された。BAGはウェブサイトで簡単な保険料計算システムを公表したとLévyは発表し、Bersetは保険金補助を医療コストの上昇に合わせて充実させると話した。Bersetはさらに、いくつかの州がこの補助を増やさず、または減額したことを指して、省令により各州に補助を義務化すると説明した。Covid-19は治療、予防接種、手術の延期などにより2021年後半以来、コストを大幅に押し上げ、これは2022年も続いているが、それでもスイスの医療システムは第一級だとBersetは強調した。保険料は全ての州で上がると見られるが、BAGは個別にそれが合法であるかを精査するとしている。医療金庫の予備金は2021年には120億フランだったが、2023年末には95億フランに減ると計算される。これは法律で定められた64億フランに対してまだ潤沢な額だとしながらも、ウクライナ戦争による金融市場の損失、上昇傾向にある金利などが医療金庫の財務状態を圧迫しており、今年の余裕は小さいが、これまでの予備金の準備により、保険料上昇をこの程度に抑えることができたと説明した。2022-09-27
Alain Berset - Anne Lévy - 保険料計算システム
女性の年金年齢引き上げ
昨日、9月25日の日曜日に行われた国民投票で国民基礎年金AHVの改革案が可決された。この発議の一つの柱は女性の年金年齢の男性と同じ65才への引き上げで、もう一つは付加価値税の利上げだ。連邦内閣は、これは少なくとも数年はAHVを健全に維持するために必要な改革だとしたが、社民党と労働組合連合は、AHVは良好に機能しており、必要のない改革だと主張していた。2024年に発効するが、移行期間には該当する1961年から1969年生まれの女性で、早期退職せず、65才まで働く場合、生涯、年金が月額12.50から160フラン積み増される。年金受給年齢は弾力化され、62才からの年金受給が可能となり、早期退職に伴う年金減額は男性の場合よりも緩やかになる。また、年金年齢を70才まで先送りすることも可能になり、部分受給もできるようになる。生活困窮の年金受給者には援助年金が支給されているが、その猶予期間は現在の1年から6か月に短縮される。AHV目的の付加価値税の通常税率は現在の0.4から8.1%に引き上げられ、軽減税率0.1%は2.6%に引き上げられる。ホテルの特別税率は0.1%から3.6%に引き上げられる。もう一つの発議、預金や国債の利子にかけられているいわゆる相殺税の廃止は否決された。相殺税は利子の35%が天引きされるが、請求によって全額、払い戻されるというもので、脱税対策だとされている。更に、大量飼育禁止の発議は大差で否決された。地方の住民投票では、ベルン州の投票権年齢の16才への引き下げの発議は否定され、Glarus州が16才以上の投票権を認める唯一の州に留まることになった。2022-09-26
AHV - 年金年齢 - 付加価値税
ベスト自治体
スイスには2145の郡があるが、そのうちの944を対象に50項目を比較した地方公共団体ランキングをHandelszeitung商業新聞が発表した。これが二度目になるランキングでは1位から3位までをZug州の郡が占めた。一位は税では5位、住では11位のChamが入り、二位はZug、三位はRischとなった。労働市場、税環境、住環境、移動性、安全性が主要な項目で、ベスト10にはSchwyz州のAltendorf、Zug州のWalchwil,Luzerun州のMeggen、Zurich州のMeilen、Nidwalden州のHergiswil、ともにZug州のHünenbergとBaarが入った。ドイツ語圏ではThurgau, Appenzell Innerrhoden, Appenzell Ausserrhoden, Aargau, Basel地方、St. Gallenの各州の郡がベスト100入りした。フランス語圏からは63位のGeneve州Pregny-Chambésyが最高で、交通が高く評価されたが、環境が880位と低評価だった。その他にはVaud州のSaint-Sulpiceが69位、Geneve州のCarougeが73位、Vaud州のLutryが95位に入っただけだった。イタリア語圏は更に評価が低く、Ticino州のCollina d'Oroの90位がベスト100に入った唯一の郡だった。人口2000人以下の郡は比較が難しいとして、調査の対象にはならなかった。ランキングは公表されているデータの分析により不動産と立地のコンサルティング会社 Iaziによって行われた。交通の便の良さは大きな要素だが、辺鄙な立地の郡も、インフラストラクチャや、教育への助成、企業の優遇などでポイントを稼いだところがある。2022-09-24
Handelszeitung - Cham - Collina d'Oro
萎んだEU加盟への関心
連邦内閣がEU(当時はヨーロッパ共同体)に加盟申請を行ったのは30年前だが、数か月後の国民投票でヨーロッパ経済圏への参加を有権者は拒否した。1992年12月6日の国民投票ではEU加盟反対派が50.3という考えうる限りの僅差で勝った。そして今、EU加盟への関心は大きく萎み、2019年には回復不可能なほどEU加盟賛成者は減った。特に目立つのは90年代に加盟を最も支持していた18才から35才の年齢層で、59.2%が賛成していたが、2019年には6.5%となり、加盟反対が最も強い年齢層となった。1990年代は冷戦終結を受けて、ヨーロッパでは各国で解放の動きが強く、多くスイス人にとってEUは憧れの場所だったが、国の独立性を守ろうとする勢力も強かった。2000年代に入って、財政危機の際にEUが南ヨーロッパの国々をどう扱ったかを見たスイス人は、人物自由往来制の推移とともに、EUへの不信を強めて行ったと見られる。地政学者Michael Hermannは若者のEU離れについて、若い人たちはEU加盟がご破算になった後で政治に関心持ち始めたため、心にかかる問題として捉えることがなかった一方、それより上の年齢層は以前の立場を変えることがなかったため、相対的に若い層がEU加盟に最も無関心な年齢層となったと説明する。ベルン大学の教授Fabio Wasserfallenは、スイスとEUの相互協定により若い人はEUとの国境を自由に超えることが出来る状態の中で育ってきており、EU各国で働くことも当たり前のことであることに慣れているため、EU加盟によりどんな良いことがあるかを想像することが出来ないのだろうと考える。最近EUに加盟した国や、加盟候補国の若者たちの関心は当然、非常に高いが、それは加盟によって彼らの可能性が広がることを期待しているためで、スイスの若者にそれを求めることはもうできない。2022-09-23
ヨーロッパ共同体 - ヨーロッパ経済圏 - Fabio Wasserfallen
国立銀行、利上げ
SNBスイス国立銀行は昨日、指標利率を0.75%引き上げ、プラス0.5%とすることを発表した。6月中旬に行った0.5%の利上げに次いで、マイナス金利導入後、二度目の引き上げで、2014年12月18日以来、8年ぶりのプラス金利となる。度重なる利上げでUSAの指標利率が3.0から3.5%の間になっており、ECBヨーロッパ中央銀行も記録的なインフレーションへの対策として2週間前に0.75%の利上げを行い、現在、1.25%となっている。SNBは必要があれば為替市場に介入する可能性も示唆した。最後の市場介入は2021年の211憶フランの外貨買いだった。2022-09-23
SNB - FRB - ECB
F-35A購入契約に署名
連邦軍部の軍備最高責任者Martin SondereggerとプロジェクトリーダーDarko Savicはベルンの連邦軍需局ArmasuisseでF-35Aの36機購入についてのUSA政府との契約書に署名した。USA側の署名は昨年10月に既に済んでいる。価格は6035憶フランで、国民投票で決められた予算上限に収まるものだ。納入は2027年から2030年とされ、現有の F/A-18 HornetとF-5 Tigerに取って代わる。同時にLockheed Martinとの契約にも署名されたが、これにはスイス企業が開発生産に参加でき、それによって価格の一部が相殺されると明記されている。スイス企業が受注するのは29億フランとされている。2022-09-19
Martin Sonderegger - Armasuisse - F-35A
キノコ、突然豊作
暑く乾いた夏が終わり、雨が順調に降ったスイスでは今、見渡す限りキノコと言える状態になっている。St. Gallen植物園の茸検査官Heidi Moserは、気候は今、キノコにとって理想的だと説明する。気温は下がり雨が降るが、地面はまだ温かいためで、検査所は大忙しになっている。キノコの多様性は莫大で、キノコ狩に遠くまで出かける必要はない。隣の州Schaffhausenでも同様で、検査所にはキロ単位のキノコを抱えた人たちがやって来る。検査官のRuth Bänzigerは、この10日間で大量のキノコが育ったと話す。特にポルチーニ茸とハナビラタケは大量に見つかり、Neoboletus erythropusという学名のキノコも豊作だ。また、Leccinellumなどの10年に一度程度しか見つからない珍しいキノコも今年は複数回、検査に持ち込まれたという。キノコの胞子は数十年から数百年も地中で眠っていることが出来て、気候条件が整うと地表に出てくるのだという。今はキノコブームはやや収まっているが、天気予報によると、もう一度、波がやって来るとキノコ狩ファンには嬉しいニュースが聞かれる。2022-09-18
ハナビラタケ - Neoboletus erythropus - Leccinellum
核廃棄物最終貯蔵施設立最終候補決定
50年の候補地探しの後、放射性廃棄物処理機関Nagraは最終貯蔵施設の建設地をチューリヒ州北部の地域と決定した。123平方キロメートルの地域にはアアルガウ州の3自治体を含む15の自治体がある。Nagra総裁のMatthias Braunはこの地域が地質学的に明らかに最適であることが確かめられたと理由を説明する。地域の住民との話し合いを重ね、合意を得たものだという。この決定は今後、連邦内閣の同意を得る必要があり、国民投票にかけられる可能性も大きい。来週月曜日に連邦エネルギー局、当該州、連邦核安全監督機関Ensiに正式に通知されるが、建設に反対する団体も既に組織されており、その代表Astrid Andermattは失望を表明し、まだまだ明らかになっていない疑問があると話した。貯蔵施設の中核はStadel郡に建設されると考えられるが、町長Dieter Schalteggerは、この決定には驚きは無いとして、最も安全な立地だと確信していると話す。建設反対派はこの決定が政治的なものだと批判するが、ここでは他の二つの候補地に比べて反対の動きが小さいとされる。2022-09-11
Nagra - Stadel - Ensi
学童増加対策が急務の自治体
ルツェルン州のEmmenは人口3200人足らずの町だが、8月に始まった新学年の義務教育を受ける学童数は3228で、2031年までに600人増えると見られている。地方自治体にとってこれは小さな問題ではない。多くの校舎は1970年代に建てられたもので、建て替えが緊急に必要なものが少なくない。学童数の増加はBFS連邦統計局によると2004年に増加に転じた出産数が主な原因で、ウクライナからの避難民は確定的な数字が出ていないために、ここには含まれていない。町の不動産とスポーツ部の部長Bruno Odermattは、まさに投資渋滞が起きていると話す。更に、昔と比べ、現在の学童にはより大きなスペースが必要だと説明する。州の自治体連合の会長Sibylle Boos-Braunは、校舎のスペースが足りないことがも大きな原因だが、これは今日明日に解決できる問題ではない。計画から認可をへて実際に建設が始まるまでに長い時間が必要だと話す。建設規制、統計、出生率などを突き合わせて、先を見越して計画を立てることが必要だが、これらの多くはブラックボックスの中だと嘆く。学童数が増えるのはその自治体が家族にとって住みやすいことの証だが、学習スペースを増やすことには多額の出費が伴う。各自治体はこれまでもスペースを増やす投資をしてきたが、これからは更にその必要が大きくなる。スイス全体でも学童数は30万余りの大幅な増加が見込まれている。Emmenでは2040年までをカバーするマスタープランに沿って事業を行う考えで、まずは1967年に建てられたHübeli校舎の建て直しだ。2022-09-11
Bruno Odermatt - Sibylle Boos-Braun - Hübeli
54年前の墜落機、氷河から回収
1968年6月30日に墜落した小型機Piper Cherokeeの残骸がJungfraujochから山小屋Konkordiahütteまでのツアー案内人によって発見され昨日8日、SUSTスイス安全検査機関の専門家によって氷河から取り出された。墜落当時、パイロットと2人の乗客の遺体は確保されたが、大破した機体を処理することは出来なかった。温暖化の影響で氷河が溶け、機体の一部を回収できる状態になったと州警察のDaniel Imbodenは説明する。墜落した場所はベルン州内の高度3800mの地点だったが、Aletsch氷河の動きによって残骸は5㎞離れたWallis/Valais州内の高度2700mの地点に移動した。回収作業は1時間半で終わり、多数の金属片は座席の一部やドアとともにヘリコプターと貨物車でPayerneに輸送され、SUSTの監視の下、廃棄処分が行われる。Imbodenによると氷河のより下層に 残骸が残っていることも十分に考えられる。2022-09-09
Konkordiahütte - SUST - Aletsch氷河
秋冬のコロナウイルス予防接種
Covid-19の感染状態は夏以来、小康状態となり、入院者数も低水準になっている。BAG連邦健康局は今日、記者会見を開き、Linda Narteyが秋と冬に向けての予防接種の方針を発表した。これから感染拡大が予想され、医療システムの負荷も大きくなると考えらるが、スイスの住民の抗体保持率が97%とされ、準備は整っているとした。今後行われる予防接種は65才以上、既存症のある人、妊婦などが対象となり、次の段階で16才から64才の住民が対象となる。予防接種剤は二面効果のあるmRNA予防接種剤とNuvaxovidが推奨される。オミクロンBA.1に適応する接種剤を含むもので、三度目の接種にも使われる。予防接種キャンペーンの開始は10月10日が予定されている。2022-09-09
BAG - Linda Nartey - Nuvaxovid
巨大蓄電システム
Wallis/Valais州の水力発電所Nant de Dranceが今日、公式に稼働開始した。実際の発電は既に6月に始まっていた。発電量は900メガワット時で、中型の原子力発電施設に相当する。この発電施設の特徴は電力が余っている時に水を汲み上げ、必要な時には水を流し発電することだ。太陽光や風力発電は発電量が気象条件に大きく左右され、電力の貯蓄が大きな問題となるが、水をダムに貯めることで一種の蓄電システムとして役立つ。季節的な発電量の揺れを調節する仕組みとなるが、長期的な電力不足の解決とはならないとされ、問題解決のシステムの一部品として働くことが期待されている。2022-09-09
Nant de Drance - -
オミクロン対応ワクチン認可
Swissmedic連邦薬事機関はModernaのオミクロン変異株に適合されたブースター用予防接種剤Spikevax Bivalent Original/Omicronを期限付きで認可した。mRNAを含むワクチンは武漢型ウイルスに対してもオミクロン変異株に対しても効果があることが確認されているという。接種容量は0.5ミリリットルで在来のSpikevaxとオミクロン対応のmRNAを半分づつ含む。SwissmedicによるとBA.1とBA.4/5に対する抗体生成効果はこれまでの接種剤よりも高いという。副作用はModernaワクチンの二度目の接種と同じ程度だとされ、新たな問題点は無いとされている。2022-08-29
Swissmedic - Spikevax Bivalent Original/Omicron -
2020年の死因第5位、コロナ
BFS連邦統計局が発表した死亡者統計によると、2020年の死亡者数は約76200で、前年比6195増えた。これは12.4%の増加にあたる。そのうち約9300人がコロナウイルスとの関係で死亡している。生命統計部の責任者Rolf Weitkunatは、これは他の統計でも見られた結果だと話す。男性と65才以上の年代層が他よりも大きなリスクを負っていた。コロナウイルス関連の死亡者の52.7%が男性だが、この傾向は65才以下の年代層ではっきりしている。この統計結果はコロナウイルスはただのインフルエンザではないことをはっきりと示している。100年来、すなわちスペイン風邪蔓延以来、これほど大きな死亡者数の増加は無かった。生存可能年数指標は70才以下の死亡者の統計から導き出され、高齢でもまだまだ生存する可能性を持っていた人が死亡した例も少なくないために、全体像を表すものではないが、男性では3300年、女性では1200年がコロナウイルス感染によって失われたとされる。コロナウイルス感染は癌、事故などの外傷、心臓循環器病に続き男性の死亡原因の第4位で、女性の場合は癌、外傷、心臓循環器病、呼吸器病に次ぎ第5位となっている。2022-08-29
BFS - -
温暖化、山小屋の危機
山岳スポーツの振興に努めるSchweizer Alpen-Club (SAC)スイスアルプスクラブは153の山小屋を運営しているが、その一つMutthorn-Hütteはその127年の歴史の中で初めて開業できない事態となった。ベルンオーバーランドの標高2900mの地点に建つ山小屋は永久凍土が溶けたために谷に向かってずれ始めている。10万立方メートルの岩石が動いていると考えられ、割れ目が目立ってきた。地質学者のHans Rudolf Keusenは巨大な岩石の塊が崩落する恐れがあると話す。氷河は溶け続けており、山小屋を再開する見込みは無い。 山小屋が閉鎖されることになれば、地球温暖化の影響で起きるスイスアルプス最初の例となる。Wallis/Valais州のCabane de BertolとRefuge des Bouquentinsでも同じような状況が起きている。SACの運営者Daniel MarbacherはHütten 2050と呼ばれるプロジェクトの中で153の山小屋のうちのいくつが気候変動によって危険に晒されているかを調べると話す。Mutthornの状況ははっきりしてきた。山小屋から50mのところには安定した岩盤があり、400万フランをかけて新しい山小屋を立てることは可能だと分かった。しかし、この山小屋の売り物の氷河の眺めは30年から60年のうちに完全に消えてしまう。しかし、山小屋運営者Roger Herrmannは他の可能性を見ている。これまで、山小屋は登山者だけが利用するものだったが、将来はロープも案内人もなく山小屋に到着できるようになる。複数の湖を持つ山岳風景を楽しむこれまでとは全く異なった利用者を見込むことが出来ると考えられる。ともあれ、現在のMutthorn-Hütteが完全に解体されることは考えられるシナリオだ。2022-08-29
Mutthorn-Hütte - Cabane de Bertol - Refuge des Bouquentins
乾燥の次は大雨
数週間続いた乾燥に続いて、大雨がスイス中央部と東部を襲っている。Thurgau州のSitter川では水が河岸を超えており、当局は流域からの避難を呼びかけている。川の上流Appenzellでは6時間に55㎜の雨が降ったと公共テレビSRFの気象番組 Meteoは伝えている。St. Gallen州では消防の出動が100回を超え、さらに増えると見られる。連邦気象気候局Meteoschweizはスイス中東部の大雨警報を5段階の3に引き上げた。しかし、この天気は長続きせず、日曜日には再び太陽が照り、気温も上昇するという予報が出ている。2022-08-19
Sitter - SRF Meteo - Appenzell
値上げラッシュの前に
連邦価格監視人Stefan Meierhansは不当な価格設定に目を光らせているが、この秋の価格高騰は彼の警告だけでは抑えきれなくなりそうだ。食料品は農業の生産コストが上昇していることもあり、値上げは避けられないが、便乗値上げの可能性も大きく、疑いのある場合は直接、価格監視人事務所に連絡することを勧めている。ガソリンは近隣のスタンドの価格を比較するアプリを活用することで10%以上の節約をすることが出来ることがオーストリアでドイツで実証されているとして、連邦政府に迅速にこのようなアプリを導入することを求めている。エネルギーは多くの事業者が公共団体に属しており、Meierhansは電力料、登録料、送電料などを値下げ、または廃止することを求めている。窮状にある市民を支援することは国の義務であり、登録料などの、実質的には税金である料金を免除することは正当なことだと説明する。価格監視人にとって市民は重要な後ろ盾であり、その消費行動によって価格に大きな影響を与えることが出来ると指摘し、価格を比較することを懇請する。これは骨の折れることだが、不当な価格引き上げを見つけることに大きな力になると話す。2022-08-16
Stefan Meierhans - -
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